企業法務の基礎 Q&A | 第一法規株式会社

△ 会社法では、どのような会社が親会社・子会社となるのですか。また、親会社等、子会社等とは何ですか?

△ 会社法では、子会社とは、会社がその総株主の議決権の過半数を有する株式会社、その他の当該会社がその経営を支配している法人として法務省令で定めるもの、親会社とは株式会社を子会社とする会社、その他の当該株式会社の経営を支配している法人として法務省令で定めるものとそれぞれ定義しています。
子会社等とは、①子会社、②会社以外の者がその経営を支配している法人として法務省令で定めるものをいいます。親会社等とは、①親会社、②株式会社の経営を支配している者(法人であるものを除く)として法務省令で定めるものをいいます。

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1 親会社・子会社の定義

会社法では、子会社とは、会社がその総株主の議決権の過半数を有する株式会社、その他の当該会社がその経営を支配している法人として法務省令で定めるもの(会社法2条3項)、親会社とは株式会社を子会社とする会社その他の当該株式会社の経営を支配している法人として法務省令で定めるもの(会社法2条4項)とそれぞれ定義しています。
旧商法では、会社が有する他の会社の議決権の割合(過半数)を基準として、親会社・子会社の定義をしていましたが、会社法では、議決権の割合(過半数)だけではなく、「経営の支配」という観点を導入しています。

2 財務および事業の方針を決定している場合

法務省令では、会社等が他の会社等の財務および事業の方針の決定を支配している場合に、その両者間に親子関係を認めています。 そして、「財務および事業の方針の決定を支配している場合」として、次の各項を掲げています。
(1) 他の会社等の議決権の総数に対する自己の計算において所有している議決権の数の割合が100分の50を超えている場合
(2) 他の会社等の議決権の総数に対する自己の計算において所有している議決権の数の割合が100分の40以上である場合(前項の場合を除く)であって、次の要件の一つに該当する場合
① 他の会社等の議決権の総数に対する自己所有等議決権数(次に掲げる議決権の数の合計数をいう)の割合が100分の50を超えていること
イ 自己の計算において所有している議決権
ロ 自己と出資、人事、資金、技術、取引等において緊密な関係があることにより自己の意思と同一の内容の議決権を行使すると認められる者が所有している議決権 ハ 自己の意思と同一の内容の議決権を行使することに同意している者が所有している議決権
② 他の会社等の取締役会その他これに準ずる機関の構成員の総数に対する次に掲げる者(財務および事業の方針の決定に影響を与えることができるものに限る)の数の割合が100分の50を超えていること
イ 自己の役員
ロ 自己の業務を執行する社員
ハ 自己の使用人
ニ イからハまでに掲げる者であった者
③ 自己が他の会社等の重要な財務および事業の方針の決定を支配する契約等が存在すること
④ 他の会社等の資金調達額(貸借対照表の負債の部に計上されているものに限る)の総額に対する自己が行う融資(債務の保証および担保の提供を含む)の額(自己と出資、人事、資金、技術、取引等において緊密な者が行う融資の額を含む)の割合が100分の50を超えていること
⑤ その他自己が他の会社等の財務および事業の方針の決定を支配していることが推測される事実が存在すること
(3) 他の会社等の議決権の総数に対する自己所有等議決権数の割合が100分の50を超えている場合(自己の計算において議決権を所有していない場合を含み、前(1)、(2)に掲げた場合を除く)であって、(2)の②から⑤までに掲げたいずれかの要件に該当する場合
3 子会社等・親会社等

会社法では、子会社、親会社に関連するものとして、子会社等、親会社等という定義があります。子会社等は、子会社を含む概念であり、親会社等は、親会社を含む概念です。子会社等、親会社等は、社外取締役・社外監査役となれるものを判断する際に必要となる概念です。


【参考法令等】

会社法2(定義)

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