《概要》監査人・監査報酬問題研究会(本年度責任者・林隆敏)では、2007年より、日本公認会計士協会からの委託研究として、有価証券報告書に開示されたデータをもとに、わが国の全上場企業の監査人及び監査報酬の実態調査と分析を実施している。本研究の目的は、被監査企業が監査人に対して支払う報酬を手がかりとして、日本の上場企業における公認会計士監査の実態を明らかにすることにある。
本研究は、主に、①わが国の監査報酬の動向に関する調査、②アメリカにおける監査報酬の動向に関する調査、及び③わが国の監査報酬データをもとにしたわが国の監査問題に関する実証研究の3つの部分からなる。
本稿では、このうち①に関する部分を中心に、2014年4月期決算から2015年3月期決算に至る1年間で、2015年3月末時点において日本の証券取引所に上場しており、有価証券報告書を提出した全ての上場企業(3,559社)における監査報酬及び監査人の実態に関する調査結果と分析を紹介する。
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