当社は、財務諸表上、相手科目が費用となる未払いは未払費用で、それ以外の未払いは未払金として、また相手科目が収益となる前受けは前受収益で、それ以外の前受けは前受金として処理しています。このままでよいのでしょうか。

未払金と未払費用の区分は、相手勘定が費用か否かで区分するのでなく、役務の提供が継続中か完了かで区分します。すなわち、未払金は役務の提供が完了し、債務として確定したものを計上するのに対して、未払費用は役務の提供は継続中であり、債務としてはいまだ確定していないが、会計上期間損益を正確に把握する目的から計上されます。
前受金と前受収益の区分についても同様であり、前受収益は役務提供は継続中であるが、いまだ提供していない役務に対して支払いを受けた対価であり、前受金はその企業の主たる営業目的にかかる収益の前受金額を計上します。

解説

(1)未払費用と未払金の定義

未払費用は、一定の契約に従い、継続して役務の提供を受ける場合、すでに提供された役務に対して、いまだその対価の支払いが終わらないものをいいます。したがってこのような役務に対する対価は、時間の経過に伴ってすでに当期の費用として発生しているものであり、これを当期の損益計算書に計上するとともに、貸借対照表の負債の部に計上しなければなりません。
これに対し、未払金は財貨の受入れまたは役務提供が完了し、債務として確定したものをいいます。

(2)未払費用と未払金の具体例

未払費用の具体例として、未払給料または未払賃金(当月20日締めで当月25日払いの給料の場合には21日から月末までの給料相当額を未払費用として計上)、未払利息(たとえば借入金の利息の利払日が15日の場合には16日から月末までの利息を未払費用として計上)等があります。
未払金の具体例は、電気・ガス・水道料、外注加工賃、広告料、販売手数料、売上割戻金等の未払額があります。ただし、電気・ガス・水道料、外注加工賃等で営業上の未払金は表示上、買掛金に含めることができます。

(3)前受収益と前受金の定義

前受収益は、一定の契約に従い、継続して役務の提供を行う場合、いまだ提供していない役務に対し支払いを受けた対価をいいます。したがって、このような役務に対する対価は、時間の経過とともに次期以降の収益となるものであり、これを当期の損益計算から除去するとともに貸借対照表の負債の部に計上しなければなりません。
これに対し、前受金はいまだ受け入れていない商品等に対する前受代金であり、主に営業目的にかかる収益の前受対価をいいます。

(4)前受収益と前受金の具体例

前受収益の具体例として、前受賃貸料(たとえば当月16日から来月15日までの賃貸料を当月末に受け取った場合、来月1日から15日までに関する賃貸料は前受収益として計上)、前受利息(たとえば当月21日から来月20日までの貸付金利息を当月21日に受け取った場合、来月1日から来月20日までの利息相当額を前受収益に計上)等があります。
前受金の具体例としては受注工事、受注品に対する前受け、不動産業、映画業等役務の給付を営業目的とする営業収益(たとえば月極不動産賃貸料、映画配給料等)の前受額があります。

ワンポイント
未払寄付金の税法上の扱い
寄付金の場合、決算上未払金に計上しても、現実に支出するまでは、損金として取り扱われません(法人税法施行令78条)。
また、寄付金の支払いのための手形の振り出しについても、現実の支払いには該当しません(法人税基本通達9-4-2の4)。

参考法令等

原則注解5(経過勘定項目について)
財務諸表等規則47、48(流動負債の範囲)
財務諸表等規則ガイドライン47-1~47-6(流動負債の範囲)
計算規則75(2)(負債の部の区分)

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