田中 滋、栃本一三郎 編著 日本介護経営学会 編集協力
ISBN |
978-4-474-02603-2 |
発刊年月日 |
2011-10-05
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判型 |
四六判 |
ページ数 |
332 |
巻数/略称 |
/ 介護イノ |
商品コード |
026039
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介護事業を継続するための、将来展望・経営哲学・経営戦略・政策を斬新な切り口で取り上げる。フレームワークを変えると見えてくる、3つの領域で起こる介護ビジネスのイノベーションを解説した、介護経営の指南書。
はじめに
第Ⅰ編
介護サービス市場のソーシャル・イノベーション
第1章◎日本の介護保険制度をINSIGHT 2
1 ソーシャル・イノベーションとしての介護保険制度 2
2 措置の「創造的破壊」 4
3 新しい市場の創出 6
4 介護サービス授受の「準市場」化 9
5 営利企業の参入 11
6 制度的イノベーションからサービス・イノベーションへ 12
第2章◎二〇〇〇年以降(二〇一五年まで)の市場トレンド分析 16
1 市場規模の拡大 16
2 成長戦略に取り入れられた介護市場 19
3 経済政策からみた介護政策の展開 23
4 二〇一五年の高齢者像 26
第3章◎介護事業の経営問題 30
1 経営問題とは 30
2 介護市場の特徴 32
3 介護経営の技術 34
第4章◎介護サービス市場の特殊性 38
1 「サービス」とは 38
2 情報の非対称性 40
3 介護保険サービスの特殊性 42
4 サービスの質の確保 44
5 次期の介護保険法 47
第5章◎介護サービス市場をFORESIGHT 50
1 民主的イノベーション 50
2 財政問題 54
第6章◎介護イノベーションの条件 60
1 介護イノベーションの条件 60
2 イノベーションの主体とは 61
3 介護イノベーションとサービス・イノベーション 64
4 ソーシャル・イノベーションと介護イノベーションの新たな条件整備とは 67
第Ⅱ編
介護サービス事業のビジネス・イノベーション
第1章◎社会性と事業性を備えた経営戦略 72
1 あるべき姿と介護事業を取り巻く実体変化から考える 72
2 介護保険制度を変える要素:
代替わりする「ステークホルダー」ないし代替わりしているという事実 74
3 事業者の変化がもたらす介護保険ステークホルダーの不安定化 79
4 企業系特に在宅福祉サービスの一〇年の事業者数の変遷と参入者の質的変化 85
5 多様な事業者参入に合わせた「事業性」と「社会性」の両立とバランス 89
第2章◎社会的企業によるイノベーション 95
ビジネスモデルとしての社会的企業 95
1 イノベーションの起点は 95
2 社会問題の解決をはかる社会的企業としての介護事業 97
3 コンプライアンスの遵守とアカウンタビリティは社会的企業の必須要件 100
4 内部組織への効果と経営改善の好循環 105
介護サービスにおける品質管理 110
1 新たな社会サービスとしての介護保険事業 110
2 介護保険事業―公的制度に基づく対人支援サービス― 111
第3章◎事業を継続・発展させるための多角的な視点 122
「事業の本質」とマーケティング 122
1 「事業の本質」とは 123
2 マーケティングとマーケティング・コンセプト 125
3 マーケティングの本質的役割 127
4 現代マーケティングの戦略システム 129
5 「サービス」のマーケティング 131
6 ヘルスケア領域のマーケティング 141
介護サービスの進化とビジネス・イノベーション 146
1 介護ビジネスの歩み 146
2 介護ビジネスにおける「消費者」意識―〝福祉〟発想からの脱却の視点― 149
3 介護サービスの進化とビジネスモデルの変容 154
4 マーケティングの実践事例 159
コラム
晴れの日のデイサービス―戦略ドメインと事業コンセプト― 161
コラム
木を見て森をグルーピング―顧客セグメントと資源の集中配分― 164
第Ⅲ編
介護サービス事業のマネジメント・イノベーション
第1章◎経営計画とマネジメント・イノベーション 170
1 経営計画における環境変化への適応 170
2 経営計画の策定プロセス 174
第2章◎サービスのマネジメント 177
介護サービスの品質マネジメント 177
1 「サービス」財の基本特性 177
2 一般的なサービス品質マネジメントの方法 179
3 介護サービスの質の確保策―公的な取組みを中心として― 180
4 標準作業手順(業務マニュアル)の価値 183
5 顧客満足度の意味 185
6 品質マネジメントとしての人材開発―組織理念の定着― 187
サービス・プロフィット・チェーンと顧客満足 189
1 「サービス・プロフィット・チェーン」の考え方 189
2 サービスの質の向上と顧客満足 191
暗黙知としての経験知から形式知へ 200
1 介護事業所と介護提供者をマネジメント理論、サービス理論からみることの必要性 200
2 組織内のサービスマネジメント課題 206
3 組織と組織の関係におけるサービスマネジメント課題 209
「実践の理論化」の大切さ 214
1 介護サービスと人材育成―介護職場における特性― 214
2 「理論の実践化」ではなく、「実践の理論化」を目指す 219
第3章◎人のマネジメント 226
人材確保・育成(採用、育成等) 226
1 求められる介護人材像の変化 226
2 人材の確保と育成に向けて 229
従業員の満足度・モティベーションを高める(エンパワメント、評価の仕組み) 234
1 モティベーションを高める仕事と配置 234
2 従業員評価の仕組み 237
3 仕事へのモティベーションを高める研修、職場における仕事の価値付け 239
リーダーシップ 241
1 リーダーとリーダーシップ 241
2 なぜリーダーシップが大切なのか 243
3 「長」の多様なリーダーシップ 247
4 チーム・マネジメントとリーダーシップ 248
組織の階層化・分業・専門化 252
1 働くということと組織 252
2 介護における仕事組織 253
3 組織と効率性のイノベーション 255
4 階層化・分業・専門化 258
第4章◎財務のマネジメント 261
介護サービス市場の特殊性が財務マネジメントに及ぼす影響 261
1 市場の参加者の特殊性 261
2 財の特殊性 262
3 規制の存在 264
介護報酬に係るマネジメント 267
1 介護報酬と加算項目の意義 267
2 個々の事業者における加算項目の検討 267
3 介護報酬の不正請求の回避 268
4 加算要件の整備 268
5 減算の回避 269
介護サービス事業者の財務マネジメント 270
1 各々の事業主体における財務マネジメントの検討 270
2 介護サービス事業所の施設整備 271
3 施設整備に伴う必要資金 272
4 施設整備資金の調達と返済計画 272
財務情報の有効な活用と財務統制 276
1 目標とする収支差額の考え方 276
2 目標収入 276
3 稼働率の目標 277
4 支出予算の見直し 278
財務計画の立案 279
1 短期計画 279
2 中・長期計画 279
コラム
収入の目標実績対比と事業収入の状況への展開 281
第5章◎リスクマネジメント 283
事業としてのリスクマネジメント 283
1 リスクの分類 283
2 投機的リスクへの対応―「制度ビジネス」としての環境適応― 285
3 純粋リスクへの対応―アカウンタビリティと可視化によるリスク低減― 288
介護経営におけるリスクマネジメント経営戦略と方法論 292
1 リスクマネジメントの経営戦略と対応 292
2 介護施設におけるリスクマネジメントの現状分析 296
3 リスクマネジメントのシステム設計と7W2H2E 304
4 予防的リスクマネジメント 309
5 介護事業所のリスクマネジメント七ヶ条 313
おわりに
▼もっと見る
●介護事業に関心のある経営層・マネジメント層・実務家、研究者向け
●介護保険制度の設計に携わっている専門家、介護事業を行っている介護サービス経営者、経営学者、コンサルタントなど、多様な執筆陣が多角的な視点で介護ビジネスを解説。
●日本介護経営学会の編集協力。
<主な内容>
第Ⅰ編 介護サービス市場のソーシャル・イノベーション
市場分析や介護市場の重要性、将来展望について解説しています。
第Ⅱ編 介護サービス事業のビジネス・イノベーション
社会性と事業性(採算性)を確保しながら、事業を継続(環境適応)していくうえで必要な項目をまとめています。
第Ⅲ編 介護サービス事業のマネジメント・イノベーション
経営管理論の基礎を踏まえつつ、市場特性および働き手の特性に対応した経営管理とは何か、良質な介護経営を目指した経営資源の効果的・効率的な活用について述べています。