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英国の地方自治

元自治省職員であった著者による、実務家の視点から纏め上げた英国の地方自治制度の変遷史。

定価

3,024 (本体:2,800円) 在庫あり

編著者名

山下 茂 著

  • 単行本
  • 自治・行政
ISBN 978-4-474-03456-3
発刊年月日 2015-01-30
判型 A5判
ページ数 336
巻数 /英国地方自治
商品コード 034561

商品概要

本書は、中央政府の政権政党と内閣の交代等によって変遷を繰り返してきた英国地方自治の制度と実態のあゆみを詳細かつ正確にまとめて叙述し、ポイントを解説するとともに、学術的に考究して、その特色を解明した本

目次

序章  英国地方制度の法的枠組みと1970年代時点の状況
0-1. 地方制度に関する法的枠組み
0-1-0. 基本的な枠組み
(1) local authority (2) 憲法と地方自治 (3) 法的枠組み 
0-1-1. 法人としての地方自治単位(LGUs)
(0) LGUと法人格 (1) コモン・ロー法人 (2) 制定法法人 (3) 1974年の地方制度改革
(4) 法人格の類型による相違点 
0-1-2. 「越権行為の法理」(アルトラ・ヴァイレス・ドクトリン)
(1) 制定法法人と「越権行為の法理」 (2) コモン・ロー法人にかかる制約 
0-1-3. LGUsの権限に関する法的枠組み
(1) 公共一般法 (2) 地方法 (3) 準則法 
0-1-4. 公共一般法による事務と地方法による事務
0-1-5. LGUsの「立法」機能
(1) 地方立法の根拠 (2) 条例の意義-制定法の委任の範囲内での個別的な「立法」-
(2) 条例の意義-制定法の委任の範囲内での個別的な「立法」- (3) 条例モデル
(4) 「善き支配と統治」条例 
0-2. 1970年代の時点におけるイングランドの地方制度
0-2-2. 地方制度の基本構造
0-2-3. LGUsの編成
(0) 2層制 (1) ロンドン (2) 大都市圏域 (3) 非大都市圏域 (4) 自治単位の数と規模
(5) 特別な呼称
0-2-4. 権限と事務配分
(1) 限定的権能付与 (2) 事務配分 
0-2-5. 自治機構-「議会(+委員会)制」-
(1) 伝統ある「議会(+委員会)制」 (2) 議会 (3) 委員会 
(4) 「リーダー」と「修正委員会制」 (5) 特別委員 (6) 事務組織
0-2-6. 地方政治・行政の担い手
(1) 地方選挙 (2) 地方議員 (3) 地方政治 (4) 地方職員
0-2-7. パリッシュ-草の根レベルの副次的自治単位-
(1) 設置と性格 (2) 総会と議会 (3) 機能と財政 
0-2-8. 地方税財政
(1) 地方財政の規模と構造 (2) 地方税 (3) 中央からの移転財源 (4) 地方債
0-2-9. 地方公営企業
 (1) 「地方公営企業」の意義 (2) 「没落」した地方公営企業 (3) 地方公営企業の経営状況
0-2-10. 政府間関係(IGR)-地方+中央関係-
(1) 立法的な関与・統制 (2) 行政的な関与・統制 (3) 司法的な関与・統制

第1章 19世紀はじめの地方における各種行政と行政主体
1-0. 地方におけるさまざまな行政活動と行政主体
1-0-1.‘local government’?
1-0-2. 公式の制度と実態との差異
1-1. パリッシュ -その実態と救貧行政の展開-
1-1-1. パリッシュとは?
1-1-2. パリッシュへの行政的任務の付与
1-1-3. パリッシュの実態-その多様性-
1-1-4. 閉鎖ヴェストリ会議を民主化する法案
1-1-5. スピーナムランドの救貧政策
1-1-6. ナポレオン戦争
1-1-7. さまざまな制度改革
(1) 救貧事務の共同処理 (2) 1人1~6票に (3) 「ホッブハウス法」 
1-1-8. 救貧法に関する1832年王命委員会
1-1-9. エドウィン・チャドウィック
1-2. カウンティ -地方長官と治安判事による統治-
1-2-1. カウンティの由来
1-2-2. カウンティの統治機構-地方長官と治安判事(JPs)
1-2-3. 治安判事の任務
1-2-4. カウンティの資産税と会計監査
1-3. バ ラ -閉鎖的特権集団と選挙法改正等-
1-3-1. バラの地位
1-3-2. バラの歴史
(1) 起源は不明 (2) 国王によるバラの創出と国会の「従順議会化」
1-3-3. バラの法人格と閉鎖的特権集団たる一部市民
1-3-4. 「ポケット・バラ」と「腐敗バラ」
1-3-5. 国政レベルの選挙法改正とバラの改革への動き
(1) 1832年選挙法改正 (2) 1833年王命委員会と1835年報告書
1-4. 行政特別組織
1-4-0. アド・ホックな地方行政主体(=「行政特別組織」)
(1) 「行政特別組織」の意義 (2) その歴史的重要性
1-4-1. ターンパイク・トラスト
(1) 「ターンパイク・トラスト」の意義 (2) 田園地帯の道路交通事情 (3) 歴史的重要性
1-4-2. 貧窮者救護官会
(1) 「貧窮者救護官会」の意義 (2) 歴史的重要性
1-4-3. 都市改良委員会
(1) 都市化と環境劣化 (2) 「都市改良委員会」の意義
(3) 「都市改良委員会」の歴史的重要性
1-5. 営業的地方公役務の供給
1-5-0. 地方公役務と地域ガバナンス
1-5-1. 19世紀以前の英国における地方公営企業的活動
1-5-2. マンチェスター警察委員会の成功と失敗
(1) 公営ガス事業の成功 (2) 水道事業の場合-公営化に失敗-
1-5-3. 「自由競争」
1-6. 19世紀初めにおける仏・独の地方制度
1-6-1. フランスの地方制度
1-6-2. ドイツの地方制度
(1) 神聖ローマ帝国の消滅 (2) プロイセンでの地方制度-都市部と農村(郡)部-
(3) ナポレオン失脚後の「ドイツ同盟」における地方制度の展開
1-7. 19世紀はじめにおける英地方制度の特色
(1) LGUs編成等 (2) (自治)行政機構 (3) 担い手の選任 (4) IGR

第2章 救貧法行政と都市自治体の改革-1830年代の動向-
2-0. 1830年代の改革
2-1. 1834年救貧法改正法
2-1-1. パリッシュ連合と貧窮者救護官会-地方の救貧行政主体の広域組織化-
2-1-2. 救貧法(中央)委員会-中央政府組織-
2-1-3. 救貧行政の原則-「望まれないようにする」原則-
〈 補論2-1-3 〉福沢諭吉『西洋事情』における救貧行政論議
2-1-4. 1834年法の効果
(1) 賛成論と成果 (2) 反対論
2-2. 1835年の都市自治体法
2-2-1. バラへの「民主主義」原理の導入
2-2-2. 「公の財産の受託者」としての都市自治体へ
2-3. 救貧法改正法と都市自治体法の比較
2-4. 国会と地方の選挙制度の比較
2-4-1. 1832年選挙法改正法による国政選挙制度
2-4-2. 1835年都市自治体法における選挙制度とその効果
2-4-3. 1834年救貧法改正法による選挙制度とその効果
2-5. カウンティその他の行政主体
2-5-1. 農村の変貌と疲弊
2-5-2. カウンティ行政に対する不満の増大
2-5-3. 錯綜した各種行政特別組織の存続
2-6. 地方制度改革とベンサムの功利主義
2-6-1. ベンサムと救貧法
 (1) 救貧行政の改革方策 (2) 「パノプティコン」-効率的監視のための建築構造-
2-6-2. ベンサムと地方制度
(1) 行政区画 (2) 中央の行政組織 (3) 地方の行政システム 
(4) ベンサムの構想の特色 
2-7. 仏・独両国での1830年代における動向
2-7-1. フランスでの地方制度の動向
2-7-2. ドイツでの地方制度の動向
2-8. 1830年代のイングランドにおける特色
(1) LGUs編成 (2) (自治)行政機構 (3) 担い手の選任 (4) IGR

第3章 公衆保健衛生と地方制度改革
3-1. 19世紀中頃における公衆保健衛生問題
3-1-1. 人口の急激な都市集中
3-1-2. 都市の劣悪な生活環境
3-1-3. 数々の調査による実態の解明
3-1-4. 「刑務所よりも惨めな」都市生活環境
3-2. 「自由放任」主義
3-2-1. 「自由放任」の社会思潮
3-2-2. 「自由放任」の帰結
3-3. 公衆保健衛生立法と地方制度改革
3-3-1. 公衆保健衛生運動
3-3-2. 公衆保健衛生に関する諸立法
(1) 1830年代以前の関係法 (2) 1830年代以降の諸立法
3-3-3. 中央+地方の行政体制整備-1848年公衆保健衛生法-
(1) 1848年法の意義 (2) 公衆保健衛生関連分野の総合化
(3) 中央・地方の行政組織の整備 (4) 地方保健衛生区と地方保健衛生理事会
3-4. 反中央集権派の地方自治論-トゥールマン・スミスと独人グナイスト-
3-4-1. 1848年法案への批判と妥協
3-4-2. 反中央集権化協会のロマンチスト的憲法論-トゥールマン・スミスらの考え-
(1) 「コモン・ロー」と「民会」の伝統 (2) パリッシュの絶対的な地方自治
3-4-3. 時代錯誤のロマンチスト的地方自治擁護論
3-4-4. 独人グナイストの英国地方自治論
(1) ロマンチスト的憲法論へのグナイストの共鳴 (2) グナイストの英国地方自治論
(3) グナイストの日本と大陸欧州への影響
(4) レートリッヒ教授によるグナイスト説の批判
(5) キース・ルーカス教授のグナイスト評
〈 補論 3-4-4 〉?山政道教授とグナイスト
3-5. 1858年地方行政法による衛生行政の体制整備
3-5-1. 1850年代における公衆保健衛生行政の体制整備と成果
3-5-2. コレラの大流行と行政の対応
3-5-3. 1858年地方行政法-行政体制の再編成-
3-6. 公衆保健衛生立法の奔流と錯綜-1860年代の動向-
3-6-1. 公衆保健衛生立法の流れの継続
3-6-2. 実効ある各種地方行財政制度の形成
〈 補論 3-6-2 ① 〉地方事務の共同処理方式
〈 補論 3-6-2 ② 〉義務懈怠(デフォルト)の是正
3-6-3. 行政組織と権限の錯綜状態と混乱
3-7. 19世紀中頃の地方政治の動向
3-7-1. 地方政治でも党派的抗争
3-7-2. 国政レベルでの1867年第2次選挙法改正
3-7-3. 改正後の国政選挙の実態
3-8. 1840~60年代における仏・独の地方制度改革
3-8-1. フランスにおける地方制度改革
3-8-2. ドイツにおける地方制度改革
3-9. 19世紀中頃の英国における特色
(1) LGUs編成等 (2) (自治)行政機構 (3) 担い手の選任 (4) IGR

第4章 1870年代の地方制度改革-体系的な保健衛生行政体制の整備-
4-1. 王命衛生委員会と1870年報告書
4-1-1. 第1次・2次の王命衛生委員会の設置
4-1-2. 王命衛生委員会報告の内容
4-1-3. 王命衛生委員会の提言
4-2. 保健衛生行政組織の体系的整備
4-2-1. 王命衛生委員会提言の具体化
4-2-2. 体系的地方行政体制の整備-1875年公衆保健衛生法-
4-3. 地方行政の拡大
4-3-1. 19世紀中頃から1870年代における地方行政の拡大
4-3-2. 新しい立法の注目点
〈 補論 4-3-2 〉特別委員(co-opted member)
4-3-3. 教育行政体制の整備
(1) 教育と公行政 (2) 1870年基礎教育法 (3) 中等教育の必要性
(4) 地方行政主体の複雑化
〈 補論 4-3-3 ① 〉徴収依頼(precept)
〈 補論 4-3-3 ② 〉職務執行命令(order of mandamus)
4-4. 1870年代における地方政治の動向
4-4-1. 地方政党政治の新動向-バーミンガムとJ.チェンバレン-
4-4-2. 秘密投票制の導入
4-5. 1870年代における仏・独の地方制度改革
4-5-1. フランス第3共和政下での改革
4-5-2. ドイツにおける1870年代の改革
4-6. 1870年代の英での特色
(1) LGUs編成等 (2) (自治)行政機構 (3) 担い手の選任 (4) IGR

第5章 地方行政組織の簡素化と民主化-1880~90年代の改革-
5-1. 混沌とした地方制度
5-1-1. 混沌とした地方行政主体
5-1-2. 混沌とした地方行政区域
5-1-3. 混沌とした選挙権
5-1-4. 1884年選挙法改正など国政選挙の制度改革
5-1-5. 女性の地方参政権についての改革
5-2. 改革への動き-自由主義的主張-
5-2-1. 1885年「ラディカル・プログラム」
5-2-2. ジョゼフ・チェンバレンの地方自治論
5-3. カウンティ制度の民主化-1888年地方自治法-
5-3-0. 1880年代後半における政治情勢の変動
5-3-1. カウンティ制度の民主化-1888年地方自治法-
5-3-2. カウンティとカウンティ・バラ(CBs)
5-3-3. カウンティ議会の議員選挙制度
5-3-4. 1889年の第1回カウンティ議会選挙
5-3-5. 女性の地方議会への進出-合法か?違法か?-
5-4. 地方行政主体と区域の簡素化と体系化-1894年地方自治法による改革-
5-4-0. 1894年地方自治法の意義
5-4-1. ディストリクト議会の設置
5-4-2. 地方行政の主体と区域の簡素化と体系化
5-5. パリッシュの復興?-1894年地方自治法が企図したこと-
5-5-1. パリッシュ復興への制度づくり
5-5-2. パリッシュ復興への期待
5-6. 1894年地方自治法の成果は?
5-6-1. パリッシュ復興は期待はずれに
5-6-2. 1894年地方自治法の「成果」
5-7. ロンドンにおける首都特別区の設置-1899年ロンドン自治法-
5-8. 1880~90年代における地方政治の動向
5-9. 1880~1890年代の仏・独における動向
5-9-1. フランスにおける改革
5-9-2. ドイツにおける1890年代の改革
5-10. 1980~90年代の英での特色
(1) LGUs構成等 (2) (自治)行政機構 (3) 担い手の選任 (4) IGR

第6章 19世紀末におけるイングランド地方制度
6-1. 体系化された総合的・民主主義的な地方制度
(1) 個別行政分野ごとの行政特別組織から総合的行政主体へ
(2) 直接公選による代表民主制 (3) 20世紀前半に向けて
(4) LGUs類型ごとの全国的連合組織の結成
6-2. 仏・独の19世紀末における地方制度
6-2-1. フランスの地方制度(19世紀末時点)
(1) 基礎単位-コミューン- (2) 広域単位-郡と県- (3) 地方政治・行政の実態
6-2-2. ドイツの地方制度(19世紀末時点)
(0) 概観 (1) 農村(郡)部での基礎単位 (2) 都市部での基礎単位-郡独立市-
(3) 広域単位-郡- (4) 超広域単位-州(プロヴィンツ)-
(5) 「管区」-中央行政の地方分散区画-
6-3. 19世紀末の英地方制度の特色
(1) LGUs編成等 (2) (自治)行政機構 (3) 担い手の選任 (4) IGR

第7章 19世紀における地方制度改革の思想的背景
7-1. 地方制度の背景となった社会思想
7-1-1. 1834年救貧法改革とベンサム的功利主義
7-1-2. 「公金の受託者」としての都市自治体へ
7-1-3. 公衆保健衛生運動を支えた功利主義とキリスト教的精神
7-1-4. 自由主義と代議政治の考え方
7-2. J.S.ミルの地方自治論
7-2-0.『代議政治論』における地方自治論
7-2-1. 地方行政主体の必要性
7-2-2. 地方行政主体の構成原理
(1) 市民の公共教育と地方 (2) 地方にも代議制を (3) 地方では代議制の弊害は少ない
7-2-3. 具体的構成方法-住民自治の下で能率的な行政執行-
7-2-4. 地方と中央の関係
(1) 地方+中央間の事務配分 (2) 地方と中央の差異
(3) 市民の政治教育の場としての地方自治
7-2-5. 地方制度への影響
(1) J.S.ミルの思想と地方制度改革 (2) 普遍的価値と時代・社会状況への適合

第8章 地方公営企業の展開-19世紀における発展と公営化を巡る論争-
8-1. 地方公営企業の意義と範囲
8-2. 地方公営企業の揺籃期
8-3. 19世紀における地方公営企業の発展
8-3-0. 水道・ガス事業の発展拡大
8-3-1. 路面軌道事業-「公有民営」の原則化-
(1) 私人法による取り組み (2) 「公有民営」の原則化 (3) 例外的な「公有公営」 
〈 補論 8-3-1 〉フランスでの民間委託管理-その長い歴史-
8-3-2. 電気事業-「公営化」の原則と不活発な取り組み-
8-3-3. 地方公営企業の展開過程
8-3-4. 世紀の転換期における公営企業の状況
8-4. 公営化の動因は何か?
8-5. 公営化を巡る論争
8-5-0. 議論の分布状況
8-5-1. フェビアン主義者の「都市社会主義」
(1) 産業公営化論と「都市社会主義」 (2) 「ガス・水道社会主義」 
(3) 「都市社会主義」は公営化の主要な動因ではなかった
8-5-2. 公営企業への批判
8-5-3. 国会での調査検討と論議
8-5-4. 地方自治体の立場

第9章 20世紀前半における地方制度
9-1. 基本的枠組みの維持とその進展
9-2. 教育行政制度の改革-1902年教育法-
9-2-0. 教育制度の改革への動き
9-2-1. 総合的LGUsを地方教育当局に
9-2-2. 民間学校への公的関与
9-3. 救貧行政の問題の深刻化
9-3-1. 救貧法に関する王命委員会
9-3-2. 英国経済の停滞
9-3-3. 著しい階級間格差
9-3-4. 失業と疫病
9-3-5. ポプラー主義
(1) 寛大な貧窮者救済 (2) 特別区議会による失業対策
(3) 資産税徴収義務を意図的に無視 (4) 救貧行政経費負担と基準超過行政の問題
(5) 高額な職員給与を巡る紛議
9-4. 1929年地方自治法-救貧行政制度の改革-
9-5. 地方自治行政関係法令の総合化
9-6.地方行政事務の増大
9-6-1. 地方行政の領域の拡大
9-6-2. 救貧行政の転換
9-6-3. 住宅供給と地域整備
9-6-4. 地方公営企業の拡大
9-7. 地方歳出の拡大
9-7-1. 地方の経常支出の拡大
9-7-2. 地方の投資支出の拡大
9-7-3. 地方歳出規模の総体的規模の増大
9-8. 地方行政組織の再編成と広域化
9-8-1. 人口増と都市化の進行
(1) 人口増と都市化の状況
(2) 地方行政組織の再編成-カウンティ・バラ(CBs)の増加-
(3) 農村部での市街地化の進行 (4) 1920年代初めのLGUsの数と規模
9-8-2. 1920~40年代における地方行政体制の再編成
(1) 地方行政に関する王命委員会 (2) カウンティ・バラ(CB)化の抑制-1926年法-
(3) 行政区域の再編成-1929年法と30~40年代の見直し-
9-8-3. 事務の広域共同処理-立法による推進と地方での実態-
9-9. ロンドンの膨張
9-9-1. 都市圏域の拡大
9-9-2. 1820年代からの制度的対応-1829年首都警察法-
9-9-3. 1855年首都地域管理法
9-9-4. LCC設立と首都行政組織の多元化
9-10. 選挙制度
9-10-1. 選挙制度の近代化
(1) 国政での普通選挙制実現 (2) 地方選挙における制度改革と女性参政権の拡大
9-10-2. 貧窮者の参政権
9-10-3. 資産占用・資産税支払いと地方参政権
9-10-4. 選挙の方法-選挙区と投票方式-
〈 補論 9-10-4 〉連記(一括)投票(block voting)
9-11. 地方財政制度
9-11-1. 国庫への依存の拡大
9-11-2. 資産税 1
(1) 2種類の資産税 (2) 資産税の一本化と資産評価均衡化への取り組み
(3) 農地等に係る特別措置の拡大
9-11-3. 国庫からの財源移転
(1) 特定補助金の総合化-1888年地方自治法による地方交付金制度-
(2) 特定補助金の新設・増大 (3) 一般国庫交付金の創設-1929年地方自治法-
(4) さらに新しい特定補助金
9-12. 地方政治
9-12-1. なお静態的な地方全体の政治状況
9-12-2. 労働党の発足と地方政治の政党化
9-12-3. 地方政治の争点-教育問題と公営企業-
9-12-4. 第1次大戦後における地方の政治状況
(1) 労働党の勢力拡大 (2) 「無党派」グループの増大
(3) 全国政党による地方へのてこ入れ
(4) 地方政治における政党化の多様な進展-地域差と政党差-
9-13. 地方+中央政府間関係(IGR)
9-13-1. 地方自治体権能付与法案の試みと挫折
(1) コモン・ロー法人と国会制定法による制約
(2) 地方自治体権能付与法案の試みと不成功
9-13-2. 中央政府における組織整備
(1) 地方行政を所管する中央組織の整備 (2) 交通行政を所管する中央組織の整備
(3) 教育行政を所管する中央組織の整備
9-13-3. 行政的統制の強化
(1) 規制的な中央統制手段 (2) 奨励的な財政援助 (3) 義務懈怠是正制度
9-13-4. ウォータールー橋事件
9-14. 20世紀前半の仏・独における動向
9-14-1. 20世紀前半のフランスでの動向
9-14-2. 20世紀前半のドイツでの動向
(1) ワイマール体制以前 (2) ワイマール体制下での動向 (3) ナチス支配下の状況
9-15. 20世紀前半における英での特色
(1) LGUs編成等 (2) (自治)行政機構 (3) 担い手の選任 (4) IGR

第10章 第2次大戦-戦時下の地方行政-
10-1. 戦時下の地方行政体制
〈 補論 10-1 〉civil defence = 文民防衛
10-2. 戦時中からの戦後復興への取り組み
10-2-1. 激烈な戦災
10-2-2. 戦後復興への取り組み
10-2-3. 地方自治体境界委員会
10-2-4. 地方行政事務に関する改革
(1) ビヴァリッジ報告 (2) バトラー法(1944年教育法)による教育行政の改革
(3) 地域計画
10-3. 地方での普通選挙の実現
10-4. 第2次大戦戦時中の仏・独における状況
10-4-1. 戦時中のフランスでの状況
10-4-2. 戦時中のドイツでの状況

第11章 第2次大戦後から1950年代における動向
11-1. 地方の事務の喪失
11-1-0. 産業の国有化と「非公営化」
(1) 主要産業の国有化 (2) 各種事業分野の「非公営化」-地方公営企業の没落-
11-1-1. 交通事業
11-1-2. 電気及びガス事業
11-1-3. 水道事業
11-1-4. 医療その他
11-1-5. ニュー・タウン造成と産業廃棄物処理
11-2. 既存事務の質・量ともの拡大
11-2-1. 児童福祉
11-2-2. 「国家扶助」制度の確立-救貧法の終焉-
11-2-3. 計画と開発規制-住宅供給と土地利用規制など-
(1) 住宅行政 (2) 計画・規制行政
11-3. 事務処理の広域化の進展
11-3-1. 地方事務の広域レベルへの吸い上げ
11-3-2. 行政分野ごとの個別的広域化策
11-4. 自治単位編成についての議論と頓挫-地方自治体境界委員会の検討と解散-
11-5. 中央統制の拡大と地方職員の増加
11-5-1. 教育行政での中央統制強化
11-5-2. その他の分野での中央統制強化
11-5-3. 中央統制強化の方法
11-5-4. 地方職員の増加
11-6. 1958年地方自治法による改革の実現
11-6-1. 1958年地方自治法の制定
11-6-2. 行政区域の問題
(1) 地方制度審議会の設立と区域見直し (2) LGCの提言が実現しなかった事例
(3) 政権交代とLGCの廃止
11-7. 事務委任制度の拡充
11-8. 地方財政制度の改革-国庫平衡交付金から一般交付金へ-
11-8-1. 「国庫平衡交付金」(EEG)の創設-1948年地方自治法-
11-8-2. なお増大する各種特定補助金
11-8-3. 「一般交付金」(GG)へ-1958年地方自治法-
11-9. 第2次大戦後から1950年代における仏・独での動向
11-9-1. フランスでの動向
(1) 1946年第4共和政憲法と地方自治の原則規定
(2) 1958年第5共和政憲法-現行憲法での地方自治の原則規定-
11-9-2. ドイツでの制度改革
(1) 旧東独地域 
(2) 旧西独地域-戦後占領下における地方制度改革-
(3) 旧西独地域-1950年代における地方制度改革-
(4) LGUs編成と多様な自治機構 (5) 戦後行政需要への対応
11-10. 第2次大戦後から1950年代における英での特色
(1) LGUs編成等 (2) (自治)行政機構 (3) 担い手の選任 (4) IGR

第12章 ロンドン都制の改革
12-1. 第2次大戦後のロンドン
12-1-0. ロンドンの歴史的経路
12-1-1. ロンドン都市圏域の膨張
12-2. ハーバート審議会による調査検討
12-3. 1963年ロンドン自治法
12-4. GLCの発足
12-5. パリにおける1960~70年代の制度改革
12-5-0. 「首都」特例と「大都市」特例の国際比較
12-5-1. パリ州域における地方行政体制の再編整備
(1) 広域かつ基礎レベル単位たる「パリ」 (2) パリにおける首長(間接)公選制の実現
(3) 「大都市」としての特例-「特例区」の設定-
12-6. 英・仏における首都制度の比較
(1) LGUs設定 (2) (自治)行政機構 (3) 担い手の選任 (4) IGR

第13章 1974年地方制度改革
13-1.地方制度改革についての調査検討
13-1-1. 各種審議会等の設置
13-1-2. マラビィ委員会とモード委員会
(1) 「マラビィ報告」-職員の任用・研修制度の改革へ-
(2) 「モード報告」-幅広く多面的な改革を提案するも受け入れられず-
13-1-3. 労働党政権下での議論―レドクリフ・モード王命審議会―
(1) クロスマン大臣の「独断専行」 (2) R.モード審議会の改革提言
(3) 原則「1層制」LGUs編成の提案-「R.モード報告」-
13-1-4. 労働党政府の改革案-「R.モード報告」提案を修正-
13-1-5. 野党・保守党の対応-「常識的」な地方制度改革を-
13-2. 保守党政府による改革-1972年地方自治法の成立-
13-2-0. 1970年6月総選挙による政権交代
13-2-1. 保守党政府による「常識的な地方制度改革」の提案
13-2-2. 改革の具体化
 (1) 政府改革案への賛否 (2) 迅速な改革プロセス
13-3. 新地方制度への移行
13-3-0. 全土で2層制のLGUs編成に
13-3-1. 合併推進による行政区域の拡大
13-3-2. 新LGUs議会議員の統一選挙
13-3-3. 事務配分
13-3-4. 内部組織-「ベインズ報告」の具体化-
13-3-5. 職員-地方職員総数は増加-
13-3-6. 資産と負債
13-4. 改革の評価
13-4-1. 新制度のスタート
13-4-2. 改革への批判
13-4-3. 意見の分散とその背景
13-5. 仏独における1960~70年代の地方制度改革
13-5-1. フランスでの1960~70年代の動向
(1) 1958年第5共和政憲法の下における累次の地方制度改革の動き
(2) 基礎レベルでの広域共同処理の推進 (3) コミューン合併の推進
(4) 超広域行政単位たる「州」の設定
13-5-2. 西ドイツでの1960~70年代の動向
(1) 地方行政の広域的再編成 (2) 本格的行政改革期
13-6. 地方制度改革の3ヶ国間比較
(1) LGUs編成 (2) (自治)行政機構 (3) 担い手の選任 (4) IGR 

第14章 英国地方自治の特色
14-0. 1970年代半ばにおける英と仏・独の地方制度
14-0-0. イングランドの地方制度の特色をどう捉えるか?
14-0-1. 1970年代半ばにおけるフランスの地方制度
(1) 仏国地方制度の基本構造 (2) 自治機構 (3) 担い手の選任方法 
(4) 政府間関係(IGR)  (5) 「中央集権」の実態-公選職の兼任とその機能-
(6) まとめ-仏国地方制度の特色-
14-0-2. 1970年代半ばにおける西ドイツの州と地方の制度
(0) 11州で構成する連邦 (1) 州ごとの地方制度の基本パターン
(2) 自治機構-多様な執行機関- (3) 担い手の選任方法 (4) 政府間関係(IGR)
(5) 独国における州・地方自治の特色
14-1. かつての我国では英国地方自治をどう理解したか?
14-1-1. 「通説的理解」-小川市太郎の英国自治制度研究-
(1) 「固有権」説的理解 (2) 権能付与の方法と広狭 (3) 行政監督の不在?
(4) 議決機関の機能 (5) 小川説についての総括
14-1-2. 前田多門『地方自治の話』
(1) 伝来説的理解 (2) 「輝く公民自治の精神」? (3) 諸外国の地方制度には3系統あり
14-2. 1970年代における主要国地方制度の国際比較
14-2-1. 地方制度の概括的一覧比較
14-2-2. 英・仏両国間の比較
(1) かつての我国での「通説」的な見方 (2) 実態に即した比較
(3) 制度面の具体的な比較 (4) ア・プリオリなステレオタイプの問題 
14-3. 英国側から見た大陸系と英国系の地方制度
14-3-1. 大陸系の地方制度
14-3-2. 英国系地方制度の特色-大陸系との対比-
14-3-3. 地方自治単位の最高責任者と地域社会との関わり
(1) 最高責任者は明確か?
(2) 地域社会における主導的役割-CommunityのGovernment-
〈 補論 14-3-3 〉我国での「地方団体」概念
14-4. 大都市と首都の制度の国際比較-1970年代半ばの時点での比較-
(1) LGUs編成 (2) 事務配分 (3) 自治機構 (4) 歴史的経緯
(5) 首都ロンドンでの沿革
14-5.英国地方自治の特色-1970年代の状況と歴史的な特色-
14-5-1. 厳格な法的枠組み-地方は中央に従属-
14-5-3. 権能の広狭-LGUsの権能は広くない-
14-5-4. 事務配分とIGR-中央政府各省庁によるタテ割り統制―
14-5-5. 自治機構-純粋な「議会(+委員会)型」とタテ割り行政組織-
14-5-6. 地方選挙制度-実質的小選挙区制と低い投票率-
14-5-7. 地方税財政-重要度も自立度も低い地方税財政-
14-6. 英国地方自治の特に注目すべき総括的特色
14-6-1. IGRの特色-「行政分野別タテ割り分立型」中央統制-
14-6-2. 「住民自治」の意義と英国での実態
14-6-3. 「団体自治」の欠落
14-6-4. 「ロマンチストの夢」としての「民主的地方自治」
14-7. 「地方自治観」の比較
14-7-1. イングランドでの地方自治の弱体化
14-7-2. 英での地方自治観-「タテ割り&行政機能本位型」-
14-7-3. 仏・独での地方自治観-「地域政府」としての地方団体-
14-7-4. 運営が硬直化し、低い地位にある英の地方行政当局
14-8. 英国地方自治の「将来」展望-楽観的な見方と悲観的な見方-
14-8-1. 1974年地方制度改革の直後に表明された見解
(1) 改革の評価は「時期尚早」 (2) R.モード卿による明るい未来予測
14-8-2. 悲観的な未来予測とその後の展開
 (1) 筆者による悲観的な未来予測 (2) 1980年代以降の展開

商品の特色

●著者(明治大学・公共政策系専門職大学院ガバナンス研究科・教授)が所属する「明治大学社会科学研究所叢書」(2014年度)として発刊された、「英国地方自治」の制度と実態の変遷および特色についての学術的な価値の高い近現代史。

●著者の40年に及ぶ研究課題である「英国地方自治」の制度と実態のあゆみと特色を明らかにすべく、月刊専門誌『自治研究』に46回にわたり連載した論文「英国の地方自治」を元に、仏・独両国との比較も加えて纏め上げた大河的とも言える研究書。

●著者が日本国政府派遣の在外研究員として2年間英国に留学し、自らの目と旺盛な研究意欲により収集し分析した成果が基本となっており、英国での先行研究に加え、国会議事録や政府審議会報告書等の公式資料、地方史研究書など、現地の各種原典を拠り所とした正確な記述内容となっている。

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