取締役の善管注意義務について、教えてください。 また、監査役設置会社においてですが、内部統制システムと善管注意義務との関係についても、同様に、教えてください。 |
取締役は、会社との委任関係に基づき、会社に対して善良なる管理者の注意を払う義務を負うとされています。これを善管注意義務といいます。 会社法上、大会社においては、内部統制システムの構築を取締役(取締役会)において決定することが要求されるところ、決定さえすれば、その内容の当否にかかわらず、当該規定に違反することにはならないものといえます。もっとも、その内容が、株式会社の事業規模、特性等に照らして適切でない場合、取締役の善管注意義務違反の問題が生じます。他方、内部統制システムの構築を決定しない場合、当該規定に違反することになります。 これに対し、大会社以外の株式会社においては、会社法の明文上は、内部統制システムの構築について義務づけられていません。もっとも、内部統制システムの構築については、取締役の善管注意義務の一環として求められるものですので、適切な内部統制システムの構築を怠った場合、取締役は善管注意義務に違反することになります。 |