第35回日本公認会計士研究大会
【研究発表午前の部①】我が国公認会計士は、国際倫理基準を如何に実践していくべきか？～ますます厳しくなる国際倫理基準環境への対応を、未来志向的に検討する～
／藤田純孝・八田進二・藤沼亜起・上林三子雄・加藤　厚
【研究発表午後の部①】会計監査人に求められる職業的懐疑心とは何か？～監査実務を担う監査人の認識を中心として～／梶川　融・住田清芽・橋本　尚・福田眞也・増田宏一

《概要》第35回日本公認会計士協会研究大会は、「未来志向型、公認会計士の高品質の先にあるチャレンジング・スピリットが時代を拓く」をメインテーマとして、平成26年9月４日に、東京・品川（グランドプリンスホテル新高輪）において、以下のプログラムで開催された。本研究大会は、過去最多となる約2,000名の参加者を得て、盛会裏に終了した。
　本誌では、研究大会に出席できなかった方々のために、当日の模様を報告する。
　なお、午前の部①「我が国公認会計士は、国際倫理基準を如何に実践していくべきか？～ますます厳しくなる国際倫理基準環境への対応を、未来志向的に討論する～」及び午後の部①「会計監査人に求められる職業的懐疑心とは何か？～監査実務を担う監査人の認識を中心として～」については、特集として別途掲載したので、併せてご一読いただきたい。

【新連載】監査報告に関する国際動向①米国における監査報告書に係る検討について
／山本雄一

《概要》監査報告書は、監査人が実施した監査の結果を利用者に伝達する唯一の手段だが、除外事項や強調事項等以外は同一の定型文言を用いる監査報告書が、長年、我が国だけでなく世界各国で採用されてきた。このような定型文言の監査報告書に対しては、近年の財務報告の複雑化や金融危機の発生を受け、監査報告書の利用者の情報ニーズを満たしていないのではないかとの指摘があり、抜本的な見直しに関する議論が国際的に展開されている。
　例えば、国際監査・保証基準審議会（IAASB）は、2013年7月に、公開草案として「財務諸表に対する監査報告：提案する新規及び改訂版の国際監査基準」を公表している。また、2013年8月にはIAASBと同様の提案を含む公開草案が米国PCAOBからも公表されている。
　このような監査報告書の記載内容に関する国際的な見直しの動向については、企業会計審議会の監査部会においても取り上げられ、2013年及び2014年の我が国の改訂監査基準の前文において、今後引き続き検討を行うこととされている。そこで、我が国における今後の本格的な議論に備え、海外において長年にわたり展開されてきた監査報告に関する様々な提言や議論を連載形式でご紹介する。

【連載】新しい領域（特別目的・準拠性）の監査の想定事例　第３回：任意で実施する中小企業等が作成する財務諸表等の監査／南　成人

国際監査・保証基準審議会（IAASB）会議報告（第57回会議）／関口智和

国際会計基準審議会（IASB）会議概要（2014年9月）／松尾洋孝

《概要》2014年9月22日から9月24日に開催された、国際会計基準審議会の会議概要を報告いただいた。9月会議の主な議論は、開示に関する取組み（重要性、LAS第1号、LAS第7号に係る項目）・保険契約（保険料配分アプローチに係る純損益の認識パターン）、概念フレームワーク（概要DPのコメントを受けて、測定、及び負債と資本の区分等）、IAS第1号「財務諸表の表示」（適用時期及びデュープロセスの準拠について）などである。是非、ご一読いただきたい。

会計基準アドバイザリー・フォーラム（ASAF）第６回会議／小賀坂　敦・関口智和

【租税相談Q&A-271】海外所有不動産に係る税務／川田　剛

グローバル時代の企業価値リポーティング「統合報告～長期価値創造を実現する企業報告」報告／齋尾浩一郎、寺田良二、小池裕子、間瀬美鶴子、野崎麻子

会計事務所の事業承継についてのアンケート調査結果　―監査法人職員・法人経営者・個人事務所に聞いた―（GAAによる世界的規模の調査結果）／小見山　満

【解説】国際公会計基準審議会（IPSASB）コンサルテーション・ペーパー政府系企業及びその他の公的部門の主体に対する国際公会計基準の適用可能性
／伊澤賢司・蕗谷竹生

【解説】エクイティ・ファイナンスのプリンシプルについて―「市場関係者」として求められる役割―／谷川　聡

【解説】子ども・子育て支援新制度について／林　俊宏

企業法務　景品表示法の改正について　～課徴金制度法案を含め～／松田知丈