1. はじめに
1-1 判例検索の必要性
1-2 判例検索の非効率
1-3 一歩進んだ判例検索
2. 判例検索における「体系的志向」の意義
2-1 「体系的」検索はなぜ必要か?
2-2 判例検索とその具体的な手法
(1)初期段階
●検索事例〔1〕裁判所,年月日等から検索する
(2)発展段階
ア)法的な概念をフリーワードとしてクロス検索へ
●検索事例〔2〕具体的事案を想定して検索する-マンション購入の例-
イ)詳細検索へ
(3)高次の段階→「体系的志向」へ
3.「高次の段階」における検索とは何か?
3-1 医療事件を素材として
-一般の判例要旨と体系要旨検索-
●検索事例〔3〕具体的事案を想定して検索する-医療事件の例-
3-2 フリーワード検索の場合
3-3 検索対象の絞り込み(要旨の場合)
3-4 「要旨」の意味
(1)要旨とは何か
(2)通常の要旨
(3)『判例体系』の要旨
(4)『判例体系』の要旨の特徴
3-5 体系目次(体系項目)を駆使した検索
(1)関連する義務
(2)行為主体の類型
(3)同一類型の裁判例比較
(4)法的性質に着眼した検索
(5)「高次の段階」における検索のまとめ
4. 文献調査
4-1 文献情報をどう使うか
4-2 『法律判例文献情報』による検索
●検索事例〔4〕最大判平成11年11月24日民集53巻8号1899頁の
関連文献を検索する
5. 法令検索
5-1 『D1-Law.com 現行法規』による法令検索
5-2 検索の実例
(1)簡易検索と詳細検索
●検索事例〔5〕「制限行為能力者」で法令を検索する
(2)時点指定
6. 弁護士実務から見た判例検索と「体系的志向」の実践例
-建築瑕疵の問題を例として-
6-1 はじめに
●検索事例〔6〕具体的事案から検索する
-建築物売買,請負のケース-
6-2 「瑕疵」の事実の調査と法律要件としての「瑕疵」の概念
6-3 建築「瑕疵」が問題となる前提としての法律関係
-売買と請負-
6-4 教科書等での「瑕疵」の概念の確認
6-5 判例検索
6-6 法的推論と事実調査へのフィードバック
(1)請負の場合
(2)売買の場合
ア)マンション分譲契約の場合
イ)新築建物の建売の場合
ウ)中古住宅売買の場合
6-7 法的救済方法の選択・構成と判例検索
(1)売買の場合
ア)売買における救済方法
イ)損害賠償の範囲
●検索事例〔7〕民法570条で体系目次検索を行う
ウ)売買における瑕疵修補請求の可否
(2)請負の場合
(3)分譲マンションの瑕疵の特殊性
-これから判例を創造していかなければならない分野への挑戦-
(4)不法行為等の構成の検討の必要性
ア)不法行為構成を併用することのメリット
イ)不法行為併用の判例(実際例)
a)売買契約と不法行為
●検索事例〔8〕瑕疵ある建物の売買契約事案において,
不法行為が問題となった判例を検索する
b)請負契約と不法行為
●検索事例〔9〕瑕疵ある建物の請負契約事案において,
不法行為が問題となった判例を検索する
c)まとめ
6-8 『要件事実体系』への橋渡し
(1)訴訟物を出発点とする請求原因事実の主張
(2)「抗弁」「再抗弁」…のシミュレーション
(3)事実主張の取捨選択に関する訴訟戦略がどこまで許されるか
-訴訟における「真実」と倫理-
ア)訴訟戦略の限界
イ)「真実義務」と「真実」とは何かを考える
a)「真実義務」について
b)「真実」とは何か
7. まとめに代えて
7-1 法科大学院学習における判例検索
-批判的・創造的判例検索へ-
(1)判例の持つ多面性と「体系的志向」
(2)判例検索3つのポイント
7-2 判例学習を高次元の実務学習へ結びつける
-一弁護士からのアドバイス-
(1)判例を学ぶ意義
(2)法制度とその運用の実態の両者を学ぶ
(3)今を知るために歴史を学ぶ