★業種別の業界動向、会計監査・内部統制・税務等の実務ポイントを詳解!★
3,960円 (本体:3,600円)

ISBN |
978-4-474-10270-5 |
発刊年月日 |
2010-11-05
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判型 |
A5判 |
ページ数 |
390 |
巻数/略称 |
/ 業種別不動産 |
商品コード |
102707
|
新日本有限責任監査法人の『業種別研究会』が、各業種の動向、特徴、会計や監査上の留意点、業務の流れと内部統制のポイント等を業種別にわかりやすく解説した実務書。本書は、不動産業をテーマに業種特有の実務ポイントを詳しく解説している。
目 次
業種別会計シリーズ発刊にあたって
発刊にあたって
執筆者一覧
凡 例
第1章 不動産業の概要 1
第1節 不動産業とは 3
1 定 義 3
2 日本経済における不動産業の位置づけ 3
3 特 色 4
取扱商品が高価な資産である 4
長期にわたって使用できる 4
反復・継続しない取引であり、掛売りが少ない 5
取引に関連するさまざまな規制の存在 5
さまざまな不動産関連税制の存在 5
土地価格(地価)制度の存在 5
参入障壁が低い 6
不動産は棚卸資産にも、固定資産にも、有価証券にもなり得る 7
所有と経営の分離 7
政府の経済政策に利用されることが多い 7
第2節 業態の紹介と業界動向 9
1 不動産販売業 10
2 不動産賃貸業 12
3 不動産流通業 13
4 不動産証券化・流動化 14
第3節 沿革―歴史的背景から現在の状況 17
第4節 規制・関連法令、管轄官庁 22
1 主な関連法規制 22
2 主な監督官庁 23
第5節 IPOにおける留意点 24
1 不動産業のIPOの動向 24
2 不動産業のIPO減少の主な原因 25
3 不動産会社のIPOのための留意事項 25
ビジネスモデルの独自性 26
プロジェクト別業績管理 26
外注管理 27
コンプライアンス 27
反社会的勢力との関係排除 27
利益相反取引 27
従業員の不正を防止・発見するための内部統制 28
価格競争 28
回転率の改善 28
キャッシュ・フロー分析 28
決算の早期化 29
4 不動産投資法人(J-REIT)のIPOの置かれた状況 29
5 不動産投資法人(J-REIT)のIPOの留意事項 31
資産運用方針、財務戦略の決定 31
具体的な投資対象資産の決定、取得準備 31
組入資産の調達(増資、借入れ、投資法人債の発行) 31
6 今後IPOを目指す不動産会社が心がけるべき事項 31
消費者ニーズの把握 31
販売力の強化 32
外部環境分析の強化 32
資金調達力 32
第2章 不動産販売業 33
第1節 不動産販売業とは 35
第2節 不動産分譲業の特徴 37
1 同一の土地は存在しない 37
2 さまざまな法規制を受けること 37
3 長期にわたる開発期間 37
4 開発には多額の資金が必要 38
5 世帯数、世帯あたり人数により需要が変動 38
6 市場金利や税制などの政策の影響を受ける 38
7 引渡しが年度末に集中 39
第3節 会計と内部統制 41
1 全社的統制に係る業界の特徴 41
経営者の意向および姿勢 41
組織構造 42
従業員の経験、能力 42
支出の管理 42
事業計画と進捗管理 43
現地、現物の管理 43
ITシステムの利用 44
2 不動産分譲業の主要な業務プロセス 44
用地の情報収集、買収 46
設計、造成、建築 49
販売活動、顧客との売買契約締結 51
引渡し 53
アフターサービス 55
3 主要な業務プロセスにおける会計処理 57
用地の取得に係る会計処理 57
土地造成、建築工事、近隣対策および支払利息の会計処理 62
販売活動に関連する会計処理 65
契約、手付金受領、引渡し、売上計上 73
収益認識および原価配分に係るその他の論点 80
4 不動産分譲業の特有な会計処理 91
販売用不動産の期末評価 91
保有目的の変更 97
第4節 特殊な資金調達 99
1 ジョイント・ベンチャー(JV) 99
JVとは 99
JVを用いた不動産分譲事業の目的、特徴 99
JVを用いた事業の会計処理 100
2 不動産特定共同事業 101
不動産特定共同事業とは 101
不動産特定共同事業の目的 101
不動産特定共同事業者の会計処理 101
3 特別目的会社を利用した分譲業 102
第5節 不動産販売業に係る税務 103
1 取得に係る税金 103
不動産取得税 103
登録免許税 104
2 開発に係る税金 105
固定資産税・都市計画税 105
3 分譲業における消費税等 106
販売収益に対する消費税等 106
工事代金に対する消費税等 106
仕入税額控除額の算定方法 106
第3章 不動産流通業 109
第1節 不動産流通業とは 111
第2節 不動産流通業の特徴 112
1 宅地建物取引業法の規制 112
2 不動産を保有しないノンアセット・ビジネス 112
3 低い参入障壁 113
4 顧客からの信頼が重要 113
5 情報が重要 113
第3節 会計と内部統制 114
1 全社的統制に係る業界の特徴 114
経営者の意向および姿勢 114
組織構造~営業所等の管理~ 115
予算の設定、実績のモニタリング 115
ITシステム 115
2 仲介業における主要な業務プロセス 116
開業準備 117
営業活動、媒介契約の締結 117
売主、買主間の売買契約締結および引渡し 118
3 仲介業における主要なプロセスにおける会計処理 120
開業準備の会計処理 121
営業活動、媒介契約締結時の会計処理 121
売買契約締結、引渡時の会計処理 122
4 仲介業の特有な会計処理 124
売上の純額計上、総額計上 124
5 販売代理業における主要な業務プロセス 125
業務受託 126
販売活動、売買契約締結 127
引渡し、預り金の精算 128
6 販売代理業における主要なプロセスにおける会計処理 129
販売業務の受託、受託契約の会計処理 130
販売活動および売買契約の締結の会計処理 130
引渡し、預り金の精算の会計処理 132
第4章 不動産賃貸業 137
第1節 不動産賃貸業とは 139
第2節 不動産賃貸業の特徴 140
1 多額の資金投資が必要 140
2 定型的な取引で長期的に投資回収 140
3 需給動向に左右される 141
4 立地条件が重要 141
5 物件の個別性が高い 142
6 賃借人の業績に左右される 142
7 財務内容が他の業種と大きく異なる傾向にある 142
8 取引に関してはさまざまな規制がある 143
9 参入が比較的容易である 143
第3節 会計と内部統制 144
1 全社的統制に係る業界の特徴 144
さまざまな法規制に対する統制環境の整備 144
物件収支に関する適切なリスク評価と対応 145
統制活動の充実強化 145
継続的なモニタリングの設定 145
ITへの対応 146
2 不動産賃貸業の主要な業務プロセス 146
賃貸物件の取得 148
テナント獲得・契約締結 149
賃料収受・債権管理 151
原価集計・損益収支管理 154
契約終了・精算 157
3 主要な業務プロセスにおける会計処理 158
賃貸物件の取得の会計処理 159
テナント獲得・契約締結の会計処理 162
賃料収受・債権管理 163
原価集計・損益収支管理の会計処理 165
契約終了・精算の会計処理 166
4 不動産賃貸業特有の会計処理 166
リース取引と不動産賃貸借取引 166
フリーレントの会計処理 169
転貸(サブリース)の会計処理 171
不動産の保有目的の変更 172
販売目的で保有する賃貸不動産の減価償却について 175
特別目的会社を利用した取引(不動産の証券化) 176
賃貸物件についての減損会計の適用 176
保有しているビルを取り壊した場合の会計処理 178
賃貸等不動産の時価の開示 179
賃貸物件の資産除去債務について 187
土地の再評価 189
第4節 特殊な資金調達 194
1 不動産特定共同事業 194
第5節 不動産賃貸業に係る税務 196
1 不動産の取得の際に係る税金 196
2 不動産の保有の際に係る税金 196
固定資産税および都市計画税 197
特別土地保有税(市町村税) 199
地価税(国税) 199
3 ビルの賃貸とマンションの賃貸での消費税等の取扱いの違い 199
4 資産に係る控除対象外消費税額 200
5 賃貸不動産に係る会計上のファイナンス・リースと税務上の「リース取引」の違い 205
税務上のリース取引 205
税務上のリース取引の範囲から除かれる土地の賃貸借 206
「ファイナンス・リース」と「リース取引」の相違点 206
土地のリース取引と判定された場合の留意点 207
第5章 不動産の流動化・証券化 209
第1節 不動産の流動化・証券化とは 211
1 流動化・証券化の2類型 211
2 不動産の流動化・証券化における主要なプレーヤー 212
事業体 212
不動産管理会社 216
オリジネーター 218
資金提供主体 218
一般社団法人等 219
事務受託会社 220
各種専門家(弁護士、会計士、税理士、鑑定士等) 220
第2節 不動産の流動化・証券化の特徴 221
1 資産金融(アセット・ファイナンス) 221
2 倒産隔離 221
オリジネーターの倒産リスクとその排除 222
SPC自体の倒産リスクとその排除 222
3 税務上の導管性 223
4 金商法の影響 223
5 信託の利用 224
6 業務の分岐 225
第3節 会計と内部統制 226
1 全社的統制に係る業界の特徴 226
評価範囲・評価単位の明確化 227
金融商品取引業者としての管理体制の充実 227
利益相反への対応 228
委託業務のモニタリング 229
従業員の雇用形態の傾向 229
2 流動化・証券化の主要な業務プロセス 230
AMフィー計上プロセス 231
賃貸損益計上プロセス 234
3 主要な業務プロセスにおける会計処理 237
AMフィー計上プロセス 237
賃貸損益計上プロセス 238
4 流動化・証券化特有の会計処理 238
SPC等の連結に係るルール 239
SPCを利用した不動産の流動化に係る譲渡人の会計
処理 257
証券化商品の保有者の会計処理 267
REITの合併の会計処理 269
各規制法・計算規則等の規定 274
5 流動化・証券化特有の開示 274
SPC 274
REIT 276
第4節 特殊な資金調達 279
1 ノンリコース・ローン 279
2 コベナンツ・ファイナンス 280
3 トランチング 280
4 ウォーター・フォール 281
第5節 流動化・証券化に係る税務 282
1 導管性 282
租税特別措置法による規制 282
基本通達による規制 287
2 流通税 288
TMKとREITにおける特例 288
信託の取扱い 288
3 REITの合併の取扱い 289
適格合併の判定における共同事業要件の考え方の整理 289
負ののれんの取扱い 289
第6章 不動産評価について 293
第1節 企業会計における時価評価の流れ 295
第2節 公表指標による時価把握方法 297
1 公示価格 297
2 基準地標準価格 299
3 相続税路線価 299
4 固定資産税評価額 300
第3節 不動産鑑定会社に時価評価を依頼する場合 302
1 鑑定評価書 302
算定される価格の種類 303
鑑定評価の条件 304
鑑定評価の依頼目的・条件と価格の種類との関連 304
価格時点および鑑定評価を行った年月日 305
鑑定評価額の決定理由の要旨 305
鑑定評価上の不明事項に係る取扱いおよび調査の範囲 306
不動産鑑定士の対象不動産に関する利害関係等 306
その不動産の鑑定評価に関与した不動産鑑定士等の氏名 307
2 調査報告書等 307
3 財務諸表のための価格調査を依頼する場合 309
第4節 用途別不動産評価の方法 313
1 不動産評価手法の概説 313
原価法 314
取引事例比較法 316
収益還元法 318
2 用途別不動産評価手法の留意点 320
更地 320
オフィスビル 321
商業施設 323
マンション 324
ホテル 326
工場 329
第7章 国際財務報告基準(IFRS)における不動産の会計処理 331
第1節 IFRSにおける不動産の分類と基準適用範囲 333
第2節 不動産が複数の科目分類の要件に該当する場合 335
1 棚卸資産と投資不動産の区分 335
2 有形固定資産と投資不動産の区分(役務の提供) 336
3 有形固定資産と投資不動産の区分(複数の目的を有する不動産) 337
第3節 不動産業に影響の大きい基準・論点 339
1 借入費用の取得原価算入(IAS23) 339
2 減価償却のコンポーネント・アプローチ(IAS16) 340
3 減損会計における1ステップ・アプローチと減損の戻入れ(IAS36) 341
4 投資不動産の公正価値モデル(IAS40) 343
公正価値とは 343
公正価値の算定 344
5 不動産のリース(IAS17) 345
第4節 ムービングターゲットとしてのアドプション 347
第8章 不動産業の監査 349
第1節 会計監査の種類 351
1 会計監査の目的 351
2 監査の種類 352
3 制度による分類 353
法定監査(法令等に基づく監査) 353
任意監査 354
第2節 会社法監査 355
1 会社の機関 355
2 会社が作成すべき書類と会計監査 357
第3節 金融商品取引法監査 358
1 財務諸表監査 358
2 内部統制監査 360
内部統制とは 360
内部統制監査 362
会社法における内部統制と監査 363
第4節 内部監査 365
1 内部監査の定義 365
2 内部監査の機能 365
3 内部監査の実施 367
第5節 不動産販売業に関する監査の着眼点 368
第6節 不動産賃貸業に関する監査の着眼点 370
第7節 不動産の流動化・証券化に関する監査の着眼点 372
第9章 不動産業の主な経営指標 375
参考文献 379
事項索引 383
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不動産取引に対して直接的に会計処理を規定した会計基準や指針が少なく、実務上、会計処理に悩むケースも多くみられます。このような問題意識のもと、本書では、会計処理の前提となる取引や業務の流れについて詳細に解説しています。
また、不動産業を大きく販売業、流通業(販売代理・仲介)、賃貸業という主要事業に分けて、事業の業務の流れに沿って内部統制や会計処理について解説するとともに、近年話題を集めている不動産の証券化・流動化、不動産の評価、不動産に
関連するIFRSの会計処理についても章を設けて解説。仕訳例や設例も豊富に収録しています。