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原子力のリスクと安全規制―福島第一事故の”前と後”―

福島原発事故から4年、安全神話は果たして克服されたのか。それをクリティカルに考えるヒントを本書は与えてくれる。
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4,400 (本体:4,000円) 在庫あり

編著者名

阿部 清治 著

  • 単行本
  • 自治・行政
ISBN 978-4-474-03505-8
発刊年月日 2015-03-16
判型 A5判/C3050
ページ数 480
巻数/略称 /原子力リスク規制
商品コード 035055

商品概要

福島第一原発事故当時、JNESの職員として緊急事態支援本部に詰めていた炉心溶解事故研究の第一人者が、事故の“前と後”の我が国における「原子力のリスクと安全規制」の考え方について解説。原子力発電そのものに関わるリスクと安全規制の実態や論理について、原子力発電事故対応の実体験から語る。

目次

まえがき
目次
図表目次


第1部
1. はじめに

2. 安全とは何か、リスクとは何か

3. 原子力施設の安全確保の考え方
3.1 本書の対象とする安全問題
3.2 原子力施設における基本的安全機能と放射性物質放出防止のための多重の障壁
3.3 深層防護、安全設計、アクシデントマネジメント、防災
3.3.1 深層防護の考え方
3.3.2 安全設計
3.3.3 アクシデントマネジメント
3.3.4 シビアアクシデント対処設計の規制要件化
3.3.5 立地及び防災
3.4 事象分類とリスクの適切な抑制
3.4.1 リスク管理と事象分類の関係
3.4.2 「事象」という言葉について
3.4.3 事象分類の考え方(その1)-事象の発生頻度での分類
3.4.4 安全規制で用いている事象分類
3.4.5 事象分類の考え方(その2)-事象の影響での分類
3.5 規制の構造
3.5.1 事業者の責任
3.5.2 規制当局の役割
3.5.3 法令順守の確認と自主保安の奨励
3.6 原子力安全研究
3.7 国際的な原子力安全への取組み

4. 決定論的安全評価と計算コード
4.1 安全解析と安全評価
4.1.1 「安全解析」と「安全評価」の定義
4.1.2 解析の「時制」
4.2 決定論的安全評価による安全性の判断
4.3 計算コード
4.3.1 計算コードを構成する3つの要素
4.3.2 計算コードの構成の具体例:非常用炉心冷却系の性能
          評価コード
4.3.3 非常用炉心冷却系の性能評価における判断基準
4.3.4 計算モデルに含まれる虚構
4.3.5 計算コードの検証

5. 確率論的安全評価によるリスクの定量化
5.1 確率論的安全評価の概念
5.2 原子力発電所の確率論的安全評価の手順
5.2.1 確率論的安全評価の手順の概要
5.2.2 発端事象の同定と区分
5.2.3 内的事象と外的事象
5.2.4 レベル1の確率論的安全評価
5.2.5 レベル2の確率論的安全評価
5.2.6 レベル3の確率論的安全評価とリスクの計算
5.2.7 地震起因の事故についての確率論的安全評価
5.2.8 時間依存の確率論的安全評価
5.2.9 確率論的安全評価の標準化
5.3 確率論的安全評価の利用
5.3.1 確率論的安全評価から得られる情報
5.3.2 確率論的安全評価の特徴
5.3.3 わが国での確率論的安全評価のこれまでの応用
5.4 技術論の詳細を離れて、確率論的安全評価とは
5.4.1 確率とは未来予測である
5.4.2 専門家の判断について
5.4.3 不確実さの意味するところについて
5.4.4 PSAはハードウェア指向の解析手法である
5.4.5 PSAは日常的な意思決定のための道具である
5.4.6 PSAの仮定や結果はわかりやすく説明されなければならない

6.原子力施設の安全審査と決定論的安全評価
6.1 段階規制
6.2 原子力施設の安全審査の概要
6.3 主要な安全審査指針の役割
6.3.1 主要3指針とそれらの間の関係
6.3.2 設計指針と評価指針
6.3.3 立地指針
6.3.4 評価指針と立地指針における事象分類と判断基準
6.4 決定論的ルールと確率論的安全評価の関係
6.5 確率論的安全評価と決定論的安全評価の関係
6.6 高レベル放射性廃棄物地層処分のリスクについて
6.6.1 地層処分にも安全確保のための共通のアプローチが採られるべし
6.6.2 人工バリア、天然バリアの役割と設計要件について
6.6.3 閉鎖後の制度的管理について
6.6.4 接近シナリオの評価は可能か

7.技術に伴う事故やリスクとその受容性
7.1 技術のもたらす光と陰
7.2 技術に伴うリスク
7.2.1 種々の技術分野の事故事例
7.2.2 リスクの比較
7.3 リスクの受容性について
7.4 確率論的安全目標に関する国際的経緯

8. わが国における安全目標の設定と利用
8.1 安全目標設定の背景と検討経緯
8.2 安全目標案
8.2.1 安全目標案の概要
8.2.2 安全目標案の示すリスクレベル
8.2.3 安全目標案と比較されるリスク
8.2.4 原子力発電所を対象としての性能目標案
8.3 安全目標の適用
8.4 安全目標に係る課題

9. 「リスク情報」を活用しての規制
9.1 「リスク情報」を活用しての規制とは
9.2 確率論的安全評価の特性と限界を理解しての「リスク情報」の利用
9.2.1 確率論的安全評価の対象は「残存リスク」である
9.2.2 確率論的安全評価の限界についての考慮
9.2.3 データの適用性を考慮しての利用
9.3 規制での「リスク情報」活用の一般的アプローチ
9.3.1 決定論的規則基準類の見直し
9.3.2 不確実さの偏在を考慮しての利用
9.3.3 各種の変更提案の妥当性を確認するプロセス
9.4 「リスク情報」それぞれの使い方
9.5 「リスク情報」の今後の利用についての具体案

10.第1部のおわりに


第2部
11.福島第一の事故が起きて

12.福島第一原子力発電所におけるシビアアクシデント
12.1 福島第一の事故に関係する設備及び耐津波設計
12.1.1 福島第一原子力発電所の設備
12.1.2 耐津波設計
12.2 「冷却材ボイルオフ事故」とその進展
12.3 福島第一の事故進展の記述で参照した主要情報
12.4 福島第一発電所全体としての事故の進展
12.5 福島第一の各号機における事故の進展
12.5.1 1号機の原子炉における事故進展
12.5.2 2号機の原子炉における事故進展
12.5.3 3号機の原子炉における事故進展
12.5.4 4号機の使用済み燃料プールにおける事故の進展
12.5.5 5号機、6号機の原子炉における事故の進展

13.深層防護の各レベルで判明した欠陥
13.1 第1のレベル:設計での想定を超える津波
13.2 第2のレベル:福島第一事故とは関係していない
13.3 第3のレベル:設計基準の想定を超える長時間SBOと直流電源喪失
13.4 第4のレベル:想定通りには実施できなかったAM策
13.5 第5のレベル:緊急時対応とINES評価に係る問題

14.安全設計、特に外的誘因事象対処設計についての規制
14.1 外的誘因事象に対する規制のあり方
14.2 外的誘因事象に対する設計基準設定の妥当性について
14.2.1 津波に対する設計基準
14.2.2 外的誘因事象一般についての設計基準
14.3 安全設計における多様性について
14.4 外的誘因事象が深層防護の各レベルに及ぼす影響
14.5 外的誘因事象によるシビアアクシデントへの対策について
14.6 複合外的誘因事象の適切な考慮について
14.7 安全設計に関するその他の検討課題
14.7.1 設計基準事故の想定の妥当性
14.7.2 複数基立地サイトにおける共用施設に対する考慮
14.7.3 相反する要求についての安全設計
14.7.4 事故時計装制御の見直し
14.7.5 使用済み燃料貯蔵設備に対する規制

15.シビアアクシデント対策の確立
15.1 福島第一事故時のアクシデントマネジメント
15.2 AMに関する幾つかの問題
15.2.1 減圧して低圧ポンプで炉心に注水
15.2.2 格納容器ベント
15.2.3 原子炉建屋での水素爆発
15.2.4 中央制御室の居住性
15.3 シビアアクシデント対策の規制要件化について

16.原子力防災とINESに係る問題
16.1 施設側から見ての原子力防災
16.1.1 従来の原子力防災の問題点
16.1.2 福島第一事故で顕在化した欠陥
16.1.3 原子力災害対策指針
16.2 INESについて
16.2.1 INESの役割と関係組織
16.2.2 福島第一事故でのINES評価
16.2.3 INES評価に係る課題とそれへの対応

17.個別誘因事象に対する深層防護について
17.1 深層防護の考え方の再整理
17.1.1 深層防護についての福島第一事故の教訓
17.1.2 安全設計及びマネジメントと深層防護の関係
17.1.3 深層防護におけるレベル分け
17.1.4 深層防護各レベルの目的
17.2 深層防護のレベル間の独立性
17.3 外的誘因事象に対する防護設計
17.3.1 グレーデッドアプローチ
17.3.2 外的誘因事象に対する防護の手順
17.3.3 多様性の追求
17.3.4 設計の想定を大幅に上回る事態への対処
17.4.個別誘因事象を考えての安全重要度分類
17.4.1 安全重要度分類の位置づけ
17.4.2 一般的な安全重要度分類と個別誘因事象についての重要度分類
17.4.3 安全重要度分類の対象とするSSCの範囲についての再検討
17.5.個別誘因事象対策についてのまとめ

18.リスク情報、運転経験、安全研究の反映
18.1 リスクインフォームド規制の確立
18.1.1 確率論的安全評価の方法論の妥当性について
18.1.2 確率論的安全評価における不確実さ・不完全さを考慮した利用について
18.1.3 確率論的安全評価の実施状況について
18.1.4 確率論的安全評価の結果の規制への反映について
18.1.5 安全目標の再検討
18.2 運転経験の反映
18.2.1 運転経験分析評価の重要性と分析体制
18.2.2 福島第一事故の前兆事象
18.3 安全研究に関する課題
18.3.1 安全研究のあり方
18.3.2 安全研究の難しさと本質的な矛盾
18.3.3 今後懸念される技術基盤喪失への対処

19.その他の検討課題
19.1 規制行政庁のあり方
19.1.1 日本IRRSでの指摘
19.1.2 規制の独立性について
19.1.3 規制当局による判断基準の策定について
19.2 事故調査報告書で同定される課題への対応計画について
19.3 情報共有に関する問題
19.4 原子力安全関係者はどうあるべきか
19.4.1 傲慢さを捨てよう
19.4.2 大事なことを率直に述べよう、付和雷同はやめよう

20.おわりに

付録
付録A 原子力安全に関する私自身の主張
付録B シビアアクシデント、アクシデントマネジメント、防災に係る用語の説明
付録C 柏崎刈羽原子力発電所訪問の感想
付録D 福島第一事故時のプラントパラメータの伝達に係る問題
付録E 原子力防災におけるERSS、SPEEDIの弊害について
付録F 懸念が現実になった福島第一事故でのSPEEDIの使用

参考文献
謝辞
著者略歴

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商品の特色

福島第一原発事故当時、JNESの職員として緊急事態支援本部に詰めていた著者が、「事故の前」に何を考え、「事故の進展する最中」にどう対応し、「事故から後」に何を考えているのかを示す。
福島原発事故と時々刻々、格闘した日本における炉心溶解事故研究の第一人者による本格的なリスク論である。

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