ISBN |
978-4-474-02610-0 |
発刊年月日 |
2010-07-15
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判型 |
A5判 |
ページ数 |
296 |
巻数/略称 |
/ 行政法講座 |
商品コード |
026104
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国・自治体の行政が抱える様々な問題の解決手法を、身近な問題を具体例に挙げながら、大胆に提示した「行政法講座」。法的解決に向けた考え方や、また政策遂行のための具体的手法を満載した実務書!
目 次
はしがき
Chapter1 行政法総論
1-1 ヤバい行政法 3
1 はじめに(3)
2 謎の概念(3)
3 解釈論と立法論(4)
4 立法ルートの変容(7)
5 専門家への懐疑(8)
1-2 公法的思考と管理関係論 9
1 行政法の日常的重要性(9)
2 公法・私法二元論と行訴法改正(10)
3 公法的思考と田中二郎「管理関係論」(12)
1-3 PFIと公法的規律 15
1 木に竹をつぐという話(15)
2 PFI法の趣旨(16)
3 考察(18)
1-4 公定力――キルビー判決の誤算 20
1 行政法の神秘、魔法の力(20)
2 公定力の現在(21)
3 キルビー判決の誤算(24)
1-5 公企業の特許 26
1 許可と特許の区別(26)
2 公企業の特許(28)
3 相対化したあと、どうするのか(30)
1-6 行政判例の役割――機能的瑕疵 32
1 「法創造」としての法律解釈(32)
2 最初の解釈――高知落石判決(33)
3 変化する解釈――障害物、故障車判決(34)
4 飛躍する解釈――大阪空港判決(35)
5 判例のダイナミズム(37)
Chapter2 変革期の行政訴訟
2-1 行政訴訟改革と行政法の行方 41
1 42年ぶりの行政事件訴訟法改正(41)
2 行政法なんかいらない?(42)
3 行政訴訟の機能不全(43)
4 冷酷な判決と無意味な判決(44)
5 機能する紛争処理機関(46)
2-2 行訴法改正と公法の復権 48
1 学としての公法(48)
2 公法上の確認訴訟(50)
3 公法概念の有用性(52)
2-3 公益と私益――圏央道執行停止事件 54
1 利益衡量(54)
2 圏央道執行停止事件(55)
3 私益と公益の「衡量」(58)
2-4 裁判所の情報公開 60
1 地裁と高裁の対立(60)
2 司法行政文書の公開(61)
3 議事録の公開(62)
2-5 もんじゅ訴訟と改正行訴法の限界 66
1 もんじゅ判決(66)
2 平成4年判決と行訴法9条2項(67)
3 行訴法36条(70)
2-6 第2次行政事件訴訟法改正によせて 72
1 二段階ロケット論(72)
2 行政紛争を解決するにふさわしい機関(73)
3 2つのオプション(76)
Chapter3 国と地方
3-1 第1次地方分権改革 81
1 改革の嵐の中で(81)
2 条例制定権の活用可能性(82)
3 新しい皮袋には……(85)
3-2 東京23区問題 87
1 忘れられた存在(87)
2 都区間の軋轢(88)
3 東京23区の将来(91)
3-3 三位一体改革――義務教育費国庫負担金に関連して 93
1 改革の本丸――税財政改革(93)
2 国庫補助負担金改革の問題点(94)
3 教育行政の前近代性(97)
3-4 第1次地方分権改革の総括 99
1 国による地方行政の限界(99)
2 地方交付税改革(101)
3 観念的制度論の問題点(102)
3-5 第2次地方分権改革――中間的な取りまとめを素材として 105
1 各論の重要性(105)
2 議論のズレ方(105)
3 「中間的な取りまとめ」に対するコメント(107)
3-6 真の地方分権を問う――第3・4次勧告によせて 111
1 地方分権のきれいなイメージ(111)
2 地方の実力(111)
3 条例制定権拡大のリスク(113)
4 国際性、経済的視点の欠如(114)
5 分権改革は政治主導で(115)
Chapter4 河川・下水道・道路・海岸
4-1 河川と下水道――特定都市河川浸水被害対策法の意義 119
1 「河川で勝って、下水で負ける」(119)
2 河川と下水道の役割分担(120)
3 下水道管理者の苦悩(122)
4 特定都市河川浸水被害対策法(123)
5 水行政の展望(124)
4-2 道路公団の民営化 125
1 「道路は公物」(125)
2 民営化のスキーム(126)
3 「官から民へ」の落し穴(130)
4-3 下水道の将来像 131
1 上下水道の光と影(131)
2 下水道法の発展過程(131)
3 下水道行政の課題(133)
4 下水道の法関係と料金徴収(134)
4-4 河川行政に未来はあるか 137
1 はじめに(137)
2 治水・利水の時代(137)
3 環境の時代(139)
4 新しい課題(141)
4-5 海からみた海岸法制 143
1 海と海岸のギャップ(143)
2 海岸法制の特徴(144)
3 海岸行政の課題(145)
4 海に関する法制の欠如(148)
4-6 社会資本整備の今日的課題――事業評価・政策評価 149
1 社会資本整備のルール(149)
2 NPM(ニュー・パプリック・マネージメント)(150)
3 事業評価の可能性(153)
Chapter5 危機管理・行政警察
5-1 感染症法の問題点 157
1 SARS騒動(157)
2 感染症法の骨格(157)
3 緊急時の行政体制(159)
4 権限の執行にかかる国の役割(162)
5-2 ストーカー規制法の意味すること 163
1 ストーカーのバリエーション(163)
2 ストーカー規制と行政警察(164)
3 警察権の適切な発動の必要性(165)
5-3 生活安全条例 169
1 日常の危険(169)
2 「生活安全」の内容および生活安全条例の現状(170)
3 生活安全対策の特質(171)
4 都道府県の役割の重要性(173)
5 安全・安心の重層構造(174)
5-4 国民保護法にみる地方公共団体の役割 175
1 安全・安心のための行政体制(175)
2 国民保護法の基本構造(175)
3 住民の避難局面における国、都道府県、市町村の役割(178)
4 消防、警察、自衛隊の任務(179)
5 安全・安心の重層構造(180)
5-5 組織犯罪対策 181
1 距離感(181)
2 暴力団対策法(181)
3 「疑わしい取引の届出」制度(183)
4 水際規制(185)
5-6 警察権の国家独占と民間警備業 187
1 警備業とは(187)
2 警察権の国家独占原則(188)
3 民による権力行使(189)
4 立法論としての警備業(192)
5-7 犯罪予防に対する行政法アプローチの可能性 193
1 はじめに(193)
2 行政法アプローチの可能性(193)
3 犯罪予防と行政法理論(197)
Chapter6 国境を越える行政
6-1 港湾管理の変容 201
1 GHQの占領政策とわが国の法制(201)
2 港湾法の仕組み(201)
3 港湾の国際性(203)
4 港湾管理に対する国の関与(205)
6-2 外資規制 207
1 国際化時代の行政法(207)
2 外為法(208)
3 外資規制にかかる個別法(211)
6-3 特殊関税 213
1 国際化時代の行政ツール(213)
2 特殊関税をめぐる法状況(214)
3 不当廉売関税の仕組み(215)
Chapter7 法執行
7-1 未成年者に対する喫煙・飲酒の禁止 221
1 刑罰の機能不全(221)
2 「行政ノ処分ヲ以テ没収」できない理由(222)
3 法執行の重要性(226)
7-2 課徴金 227
1 刑事法と民事法の狭間(227)
2 証券取引法(金融商品取引法)の課徴金(228)
3 独禁法の課徴金(230)
7-3 法務省および検察庁 233
1 法務省の特殊性(233)
2 法務省と検察庁の位置関係(234)
3 検察権の独立性?(236)
Chapter8 都市計画・建築・住宅
8-1 コンパクトシティと商店街 241
1 都市計画と商店街救済の関係(241)
2 法律が機能していないという認識(243)
3 土地利用規制スキームの変革(244)
4 都道府県と市町村の適切な役割分担(245)
5 新しいビジネスモデル(246)
8-2 耐震偽装事件と建築行政 247
1 耐震偽装事件からみえるもの(247)
2 平成18年改正の意味(248)
3 行政のイノベーションを(252)
8-3 マンション法制の問題点 253
1 マンションという難題(253)
2 区分所有法と区分所有権(254)
3 マンション管理の問題点(255)
4 マンションの復旧・建替え(257)
5 ニーズにあった法政策を(258)
Chapter9 消費者行政
9-1 消費者利益と介護保険法改正 261
1 消費者利益の扱われ方(261)
2 介護保険法の仕組み(262)
3 平成20年改正とその評価(264)
4 消費者問題の難しさ(266)
9-2 消費者庁および消費者委員会 267
1 はじめに(267)
2 消費者庁(268)
3 消費者委員会(270)
4 表示行政の守備範囲――刑罰との関係(271)
9-3 消費者委員会の制度論的検証――行政監視をめぐって 273
1 政権交代さなかの発足(273)
2 「監視機能」の誤謬(274)
3 両立しない任務(276)
事項索引
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