他国に類を見ない独特の形式を採る我が国の「予算理論」を巡る問題を詳解。
3,850円 (本体:3,500円)
ISBN |
978-4-474-05669-5 |
発刊年月日 |
2016-10-07
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判型 |
A5判/C3032 |
ページ数 |
344 |
巻数/略称 |
/憲法国家予算 |
商品コード |
056697
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大日本帝国憲法及び日本国憲法における、我が国の「予算の法的性質」の解明を主題とし、さらに「予算の修正」、「両議院関係」、「中長期の財政規律」という3つの個別問題を取り上げる。憲法改正が焦点となるなか、国会の役割との関係を含めて歳入出という国家政策の根幹に関わる問題を論じた書。
第1 章 序論
第1 節 主題と変奏
第2 節 各章の概要
第3 節 予算と法律との関係
第4 節 予算の実際
第5 節 法律の実際
第2 章 明治前期の予算
はじめに
第1 節 予算の性質
第2 節 予算の内容実質
第3 節 予算の形式的効力(議会と予算との関係)
おわりに
第3 章 明治憲法の予算理論
はじめに
第1 節 概説
第2 節 明治憲法制定前の我が国の予算制度
第3 節 明治憲法制定時の経緯
第4 節 明治憲法が予算を法律としなかった理由
第5 節 『帝国憲法義解』による説明
第6 節 学説等
第7 節 予算の「内容実質」との関係
第8 節 日本国憲法への継承
おわりに
第4 章 日本国憲法の予算理論
はじめに
第1 節 日本国憲法と予算理論
第2 節 日本側の対応(1)
第3 節 総司令部側の対応
第4 節 総司令部における起草作業
第5 節 日本側の対応(2)
第6 節 憲法改正草案要綱
第7 節 憲法改正草案
おわりに
第5 章 予算の法的性質
はじめに
第1 節 予算の法的性質
第2 節 明治憲法の予算理論
第3 節 日本国憲法への継承
第4 節 予算の法的性質に関する諸見解の検討
第5 節 残された課題
第6 章 予算の修正
はじめに
第1 節 問題の所在
第2 節 明治憲法下の予算修正
第3 節 日本国憲法下の予算修正
おわりに
第7 章 両議院関係
はじめに
第1 節 予算理論
第2 節 予算理論と両議院関係
第3 節 公債発行と国会の議決
おわりに
第8 章 中長期の財政規律
はじめに
第1 節 予算と法律との関係
第2 節 複数年度の財政規律
第3 節 財政規律の諸形式
第4 節 予算形式による財政規律
第5 節 法律形式による財政規律
おわりに
補遺─財政関係規定の憲法改正試案
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本書は、国会職員として豊富な実務経験をもつ著者が、憲法上における「予算の法的性質」について 実務的・歴史的・学術的な視点から解明を行ったものである。 憲法改正論議が本格化すると見込まれるなか、歳入出という国家政策の根幹に関わる問題を論じ、 巻末には財政関係規定の憲法改正試案を提示するなど、極めて今日的意義を持った1冊となっている。