海外信託を活用した相続で税理士が知っておきたい事項を解説!
3,740円 (本体:3,400円)
ISBN |
978-4-474-06184-2 |
発刊年月日 |
2018-02-16
|
判型 |
A5判/C2033 |
ページ数 |
384 |
巻数/略称 |
/海外信託税法務 |
商品コード |
061846
|
主要各国の相続における信託制度の活用と課題について、税理士が知っておきたい事項を税務&法務の両面から解説。豊富な図表のほか、国別に制度概要や具体事例(Q&A)等を示し、クロスボーダーな取引に係る複雑な内容を、わかりやすく1冊にまとめた。
はしがき
凡 例
第1章 海外信託の税務の概要
1 信託に関する基本的なフレームワーク
(1) 海外信託が注目される理由
(2) 信託法
(3) 信託関係者と設定の目的
(4) 信託設定の手順
(5) 英国における信託の種類
(6) 英国における信託と所得税の関係
(7) 英国における信託とキャピタルゲイン税
(8) 英国における信託と相続税
(9) 英国における非居住者信託
2 海外信託
(1) 海外信託の意義と定義
(2) 海外信託とタックスヘイブン
(3) 王室属領
(4) マン島
(5) ガーンジー島
(6) ジャージー島
(7) バミューダ
(8) ケイマン諸島
(9) 英領バージン諸島(British Virgin Islands:BVI)
(10) ラブアン島(Labuan)
(11) セーシェル(Seychelles)
(12) モーリシャス(Mauritius)
(13) サモア(Samoa)
(14) ジブラルタル(Gibraltar)
3 各国の信託税制と相続
(1) フランスの信託税制
(2) ドイツの信託税制
(3) 香港の信託税制
(4) シンガポールの信託税制
(5) イタリアの信託税制
(6) ルクセンブルクの信託税制
(7) ニュージーランドの信託税制
(8) スイスの信託税制
4 海外信託課税の構造
5 海外信託課税の適用上の問題点
(1) 海外信託に代えた法人形態等の選択の問題点
(2) 海外信託とタックスヘイブン税制
(3) 租税条約の適用
(資料)為替変動の歴史
第2章 海外信託と相続をめぐる法務
1 はじめに
2 国際課税の取組みの現状と今後の方向
3 外国資産保有のメリットと検討すべきリスク
(1) 外国資産を保有するメリット
(2) 外国に資産を保有する場合に検討すべきリスク
(3) まとめ
4 国際相続・海外信託が複雑になる背景
(1) 事実上の障害
(2) 法律上の問題-国際的な法体系の対立
5 国際相続の法務(各論)
(1) 相続の国際裁判管轄
(2) 相続の準拠法
(3) 遺言の準拠法
(4) 公序と反致
(5) まとめ
6 海外信託の法務
(1) 海外信託とは
(2) 日本の信託制度の概要
(3) 日本の信託の設定方法
(4) 日本の信託のメリットと留意事項
(5) 海外信託の国際裁判管轄
(6) 海外信託の準拠法
(7) 海外信託と不動産登記
(8) 海外信託と公序
7 国際相続の実務上の問題点
(1) 外国資産を保有する場合に考えなければならないこと
(2) 財産所在地国の法制を意識したエステートプランニングの必要性
(3) プロベートの留意点
(4) プロベートを回避する手段
8 海外信託の実務上の問題点
(1) 海外信託の特徴
(2) 海外信託の注意点
9 中央出版事件
第3章 日本の信託と税制
1 信託制度
(1) 信託法
(2) 信託業法
(3) 信託の準拠法
2 信託税制の全体像(所得税法、法人税法、相続税法等)
(1) 信託の効力発生時
(2) 信託期間中
(3) 信託の終了時
3 信託に係る相続税・贈与税の取扱い
(1) 原 則
(2) 受益者連続型信託の特例
(3) 受益者等が存しない信託等の特例
(4) 受益者等が存しない信託について受益者等が存することとなった場合の特例
(5) 受益者等に帰属するとされる権利(上記(1)~(4)共通)
(6) 信託受益権の所在
(7) 信託受益権の評価
4 オフショアトラストへの対策
5 租税回避対策
6 判例等の紹介
(1) 旧相続税法第4条第1項の「受益者」
(2) 孫が旧相続税法第4条第1項の「受益者」に当たるか否か
(3) 信託受益権の評価
第4章 シンガポール・香港の信託と税制
1 シンガポールの税制の概要
2 シンガポールの信託制度の特徴
3 シンガポールの信託税制の概要
(1) 信託の効力発生時
(2) 信託期間中
(3) 信託の終了時
4 香港の税制の概要
5 香港の信託制度の特徴
6 香港の信託税制の概要
(1) 信託の効力発生時
(2) 信託期間中
(3) 信託の終了時
7 日本と、シンガポール・香港の信託に関するQ&A
Q 信託制度の比較優位性
Q 信託税制の比較優位性
Q 海外信託の受益者の変更(相続税)
Q 非居住者間における国内信託の受益者変更(相続税)
Q 海外信託の設定(贈与税)
Q 海外信託の受益者の変更(贈与税)
Q 非居住者による国内信託の設定(贈与税)
Q 非居住者間における国内信託の受益者変更(贈与税)
Q 海外信託の信託財産の譲渡
Q 海外信託の信託受益権の譲渡
Q 受益者が非居住者の場合における国内信託の信託財産の譲渡
Q 非居住者による国内信託の信託受益権の譲渡
Q 受益者連続型信託に関する権利の評価(その1)
Q 受益者連続型信託に関する権利の評価(その2)
Q 裁量信託の受益権
Q 特定委託者がいる場合の贈与税の課税関係
Q 特定委託者がいる場合の国外財産調書の提出義務者
Q 残余財産受益者、帰属権利者及び元本受益者の違い
Q ノミニーがいる場合の課税関係の検討方法
Q ノミニーがいる場合の国外財産調書の提出義務者
Q 裁量信託の設定時等における贈与税の課税関係
Q 「受益者等が存しない信託」設定時等における贈与税の課税関係
Q 海外信託が日本の制度上の信託と同じ性質のものと認められない場合の課税関係
第5章 英国の信託と税制
1 英国の税制の概要
(1) 税制全般
(2) 所得税・キャピタルゲイン税の概要
(3) 相続税の概要
(4) 信託の税制
2 英国における信託の種類及びその内容等
(1) 信託の分類の概要
(2) 信託の内容
(3) 信託に関する用語の解説
3 信託と相続税制
4 租税回避対策
(1) 開示制度による租税回避対策
(2) 制定法による租税回避対策
(3) オフショアトラストへの対策
5 判例等の紹介
(1) 訴訟の経緯
(2) 事件の概要
(3) 判 旨
6 日本の居住者あるいは国外移転者の利用等
7 英国の信託税制に関するQ&A
Q 2006年改正が相続税の節税対策に与える影響
Q 事業承継税制について
Q GAARの適用の有無(その1)
Q GAARの適用の有無(その2)
Q 日本の居住者が英国に信託を設定した場合
Q 日本人が英国にドミサイルを有することとなる場合
第6章 カナダの信託と税制
1 税制の概要
(1) 基本的な事柄
(2) 法人の所得課税
(3) 源泉税
(4) 法人にかかるその他の税
(5) 国際的租税回避への対策
(6) 法人のコンプライアンス
(7) 個人所得税
(8) その他個人にかかる税
(9) 個人のコンプライアンス
(10) 消費税
2 カナダの信託制度
(1) 基本的な事柄
(2) 委託者
(3) 受託者
(4) 受益者
(5) 所有権の分割
(6) 3つの確実性
(7) 信託と遺産の違い
(8) 信託の変更と州法の違い
(9) 信託の種類
(10) 信託法と租税法
3 カナダにおける信託の課税
(1) 信託の所得課税
(2) 受益者課税
4 海外信託への対策
(1) カナダ居住信託の判定とみなし居住信託
(2) 居住資産移転者
(3) 居住受益者
(4) 特定の期間
(5) 資産移転
(6) みなし居住信託の課税
(7) 小 括
5 租税回避対策
(1) 帰属ルール
(2) 一般的租税回避否認規定
6 判例等の紹介
(1) Garron Family Trust事件
(2) Sommerer事件
7 日本の居住者あるいは国外移転者の利用等
(1) カナダ非居住者によるカナダ信託の利用
(2) 元カナダ居住者によって設立された非居住信託
(3) グラニー信託、相続信託
8 カナダの信託に関するQ&A
Q カナダの相続税について
Q 信託の存否
Q 信託所得の損失繰越ルール
Q 信託の居住地ルール
Q 帰属ルールが適用されない場合
Q みなし居住信託ルールの適用
第7章 オーストラリアの信託と税制
1 オーストラリアの税制の概要
(1) 所得税としての法人課税
(2) キャピタルゲイン課税
(3) 受取配当
(4) その他の税
(5) 個人所得税
2 オーストラリアの信託制度
(1) 委託者と信託財産
(2) 受託者
(3) 受益者
3 オーストラリアの信託税制
(1) 信託の居住性
(2) 受益者の納税義務
(3) 受託者の納税義務
4 オフショアトラストへの対策
(1) 外国子会社合算税制(CFC税制)
(2) 財産譲渡者信託税制
5 租税回避対策
(1) スキーム
(2) 租税上の便益
(3) 支配的目的(目的テスト)
6 判例等の紹介
7 日本の居住者あるいは国外移転者の利用等
8 租税条約の適用と家族信託を活用したスキーム例
9 オーストラリアの信託に関するQ&A
Q 信託の設定と課税関係
Q オフショアトラストから生じる利益に対する課税
Q 一般的租税回避否認規定の運用
Q 家族信託のメリット
第8章 米国の信託と税制
1 米国の税制の概要
(1) 税制全般
(2) 信託税制の対象となる信託
(3) 米国財務省規則§301.7701-4(Trusts)における信託の定義
(4) 信託税制の適用となる信託と法人税制の適用を受ける信託の区分
(5) 信託及び遺産財団の所得計算
2 信託制度
3 信託と所得税・遺産税の税務
(1) 米国の遺産税
(2) 信託設定時の贈与税の課税の有無
(3) 信託及び遺産財団の所得計算
(4) 信託段階課税
(5) 委託者課税信託(grantor trust)
(6) クリフォード原則の確立(委託者課税信託の判例)
(7) 信託の申告要件等
4 オフショアトラストへの対策(委託者課税信託の適用)
(1) IRCの改正及び信託税制の変遷
(2) 1916年法第2条(b)の規定
(3) 1924年法の規定
(4) 1928年法第161条から第170条までの規定
(5) クリフォード事案前の信託を利用した租税回避の形態
(6) クリフォード事案判決
(7) 1934年法の規則86の規定
(8) 1934年当時の米国の贈与税
(9) 評 釈
5 租税回避対策
(1) 信託の居住形態判定
(2) 裁判所テスト
(3) 支配テスト
(4) 外国信託の課税
(5) 1976年法による改正
(6) 信託の内外判定に関する判例
(7) 委託者が外国の者である場合の委託者課税信託
(8) 外国信託への財産の移転の課税
(9) 米国の海外信託対策
6 日本居住者等の利用等
(1) 国内法の適用
(2) 日米租税条約における信託関連条項
(3) その他の規定
(4) 外国信託に対する米国の国内法の適用
(5) 日米租税条約における両締約国において事業体課税が異なる場合
(6) 米国に設定した信託が日本源泉所得を取得する場合
(7) 日本に設定した信託が米国国内源泉所得を取得する場合
(8) 米国における信託課税(図表8-11の適用)
(9) 米国における外国信託課税(図表8-12の適用)
7 米国信託課税に関するQ&A
Q 米国に信託を保有する場合の課税関係
Q 孫を米国籍にした場合の贈与税事案
(補遺1)米国における信託の居住形態の判定基準
(補遺2)国外金融資産報告制度
第9章 海外信託課税の課題
1 XY分析
2 非居住者の金融口座情報の自動的情報交換
(1) 制度の概要
(2) 自動的情報交換の制定の背景
3 金融口座情報の自動的情報交換の合意署名国
4 日本が締結したタックスヘイブンとの情報交換協定と信託関連情報
5 ハーグ信託条約の影響
6 英国における2006年税制改正
(1) 累積扶養信託(accumulation and maintenance trust)の意義
(2) 10年定期相続税(ten-year anniversary charge)
(3) 英国の相続税制
(4) 2006年税制改正の意義
(5) Y→Xの分析
7 英国と王室属領間の租税条約
(1) 英国・ジャージー島租税条約
(2) 英国・ガーンジー島租税条約
(3) 英国・マン島租税条約
(4) 3つの租税条約の比較と注目点
(5) BEPS防止措置実施条約への参加
8 ユニット・トラストの検討
(1) 日英租税条約にある規定
(2) 英米租税条約におけるUTに係る規定
(3) 日英租税条約と英米租税条約の比較
(4) UTの意義
(5) UTへの課税
(6) 英国の個人の受取配当控除の課税
(7) ガーンジー島の締結している租税条約の源泉徴収税率
(8) ジャージー島の締結している租税条約の源泉徴収税率
(9) マン島の締結している租税条約の源泉徴収税率
(10) ガーンジー島、ジャージー島、マン島の租税条約網の特徴
9 想定した事例とその検討結果
索 引
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