税務通達とは何か?税務通達はいかにして行政官の判断を縛るのか?税務通達の発遣が持つ法的意味とは?
租税専門家なら知っておくべくき「税務通達」がこの1冊でわかる!
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2,860円 (本体:2,600円)
ISBN |
978-4-474-03985-8 |
発刊年月日 |
2016-10-14
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判型 |
A5判/C2034 |
ページ数 |
315 |
巻数/略称 |
/通達の読み方・税 |
商品コード |
039859
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税務通達に関する総論的な解説書。税務の実務には通達の正しい理解が欠かせないという視点から、税務通達の読み方に関する基本的な事項から、税務通達をめぐる問題点まで、様々な角度で税務通達を解説。
はじめに
凡例
第1章 通達とは
第1節 通達の意義
1 法律による行政の原理と租税法律主義
2 訓令と通達
3 訓令と通達の違い
4 訓令と職務命令
5 通 達
6 通達に違法性があった場合の訴訟ルート
第2節 通達の法的根拠
1 国家行政組織法14条2項の趣旨
2 国家公務員法・地方公務員法
3 平等原則
第3節 通達の機能
1 均一的行政の担保
2 行政庁における審査基準の設定
3 行政上の取扱いの公表―予測可能性・透明な行政の確保
4 法令の空白を埋める通達の機能
5 通達の逆基準性-会計慣行制定機能
6 公務員にとってのセーフハーバー機能
7 納税者にとってのセーフハーバー機能
8 小 括
第4節 通達の事実上の支配
1 問題意識
2 国税通則法65法4項にいう「正当な理由」
3 最高裁平成27年6月12日第二小法廷判決
4 通達の事実上の支配
第 2章 法治行政と通達
第1節 法治行政
1 法律の留保
2 行政法の一般原則
第2節 租税法律主義
1 法の支配と租税法律主義
2 憲法30条と84条
3 課税要件法定主義
4 課税要件明確主義
5 合法性の原則
6 遡及立法禁止原則
第3節 行政先例法
1 行政先例法としての通達
2 学説の対立
3 行政先例法の成立の余地を判示する裁判例
4 違法な取扱いの行政先例性
5 具体的事例
第4節 平等原則
1 平等原則と租税公平主義
2 財産評価基本通達と平等原則
3 組合通達と平等原則
第5節 裁量基準の設定
1 裁量基準
2 裁量基準の設定と公表が要請される理由
3 裁量権の判断基準としての性質
4 行政事件にみる裁量権濫用判断の基準としての通達
5 通達違反と裁量権
第6節 通達の拘束力
1 行政職員に対する拘束力
2 裁量基準の硬直的取扱いの問題
3 違法な通達の内部拘束力
4 職員への通達の周知徹底
第7節 通達の公表
1 審査基準の公表
2 通達公表のマイナス効果
3 通達公表と加算税の「正当な理由」
第8節 緩和通達
1 合法性の原則
2 通達による裁量権の剥奪
3 緩和通達の生成過程
4 緩和通達の問題
第9節 手続通達
1 手続通達とは
2 手続通達の例
第10節 裁決との衝突
1 国税不服審判所と国税庁
2 国税通則法99条事案
第 3章 通達の適用の仕方
第1節 硬直的運用の禁止
1 通達の硬直的適用
2 税務通達の硬直的運用
3 基本通達前文
4 小 括
第2節 通達規定要件
1 課税要件法定主義
2 通達の読み方-医療費控除通達
3 課税要件法定主義と書面添付要件
第3節 廃止通達の影響
1 通達廃止の背景
2 通達の取扱いが法令化された場合の解釈論
3 通達の廃止が提起する問題
第4節 通達の遡及適用
1 遡及立法禁止原則
2 通達の遡及適用
3 創設の意義・通達の廃止
4 参 考
第 4章 通達の実際
第1節 通達に使用する用語
1 通達に使用する用語
2 通達の記号等
3 通達に使用される概念
第2節 基本通達の制定
1 審理事務の運営
2 基本通達の制定
3 改正法関係通達の制定
4 法令・通達の周知徹底
5 改正法案の審議
第3節 法令解釈通達と事務運営指針
1 通達の分類
2 法令解釈通達の例
3 事務運営指針の例
第4節 税務運営方針
1 税務運営方針とは何か
2 税務運営方針の経緯
3 昭和51年税務運営方針
第5節 パブリック・コメント
1 行政民主化とパブリック・コメント
2 パブリック・コメントの仕組み
3 パブリック・コメントの具体例
第6節 文書回答手続
1 文書回答手続の意義
2 文書回答手続の概要
3 文書回答手続通達
4 文書回答手続の具体例
第 5章通達をめぐる重要論点
第1節 通達に反する税理士の指導と説明義務
はじめに
1 事案の概要
2 解 説
3 まとめ
第2節 恣意的な財産評価の排除と評価通達の適用
はじめに
1 財産評価における恣意性の排除
2 裁量と評価
3 行政先例法と評価通達
4 まとめ
第3節 公正妥当な会計処理の基準と税務通達
はじめに
1 問題点の所在
2 税務通達の公正処理基準
3 通達における「課税上の弊害」要件
第4節 法人税基本通達に示された保険の取扱いが個人課税事案に及ぶか
はじめに
1 事案の概要
2 論 点
3 検 討
4 業務関連性
5 まとめ
第5節 事前照会に対する文書回答手続をめぐる議論と展望
はじめに
1 通達行政批判と文書回答手続
2 個別事例の照会と情報共有化
3 租税専門家と文書回答手続
4 文書回答手続に対する信頼の保護と醸成
5 開かれた文書回答手続に向けて
6 まとめ
参考資料
参考資料1 昭和51年税務運営方針
参考資料2 「所得税基本通達の制定について」(法令解釈通達)の一部改正(案)(競馬の馬券の払戻金に係る所得区分)に対しる意見公募の結果について
参考資料3 パブリック・コメントの適用はないとの結果公示
参考資料4 事前照会に対する文書回答の事務処理手続等について(事務運営指針)
参考資料5 県の津波対策施設等の整備に対して企業等が支出する寄附金に係る税務上の取扱いについて
▼もっと見る
税理士をはじめとする租税専門家は税務通達とどう向き合うべきか。租税専門家が知っておくべき「税務通達」について、通達の種類、機能といった基本的な事項はもちろん、通達が廃止された場合の旧通達の効果はどうなるか、法人税の通達の内容は所得税の解釈の参考になるのか、通達には遡及適用があるのかといった、実務に密接に関係してくる税務通達の問題点を、判例、法令を示しながら、詳しく解説。