シュリンクする時代の合意形成とは何か――原理と事象を問い直す領域横断プロジェクト
金井利之 編著 阿部昌樹 礒崎初仁 内海麻利 北村喜宣 齋藤純一 嶋田暁文 名和田是彦 原島良成 村山武彦 著
ISBN |
978-4-474-06558-1 |
発刊年月日 |
2018-12-14
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判型 |
A5判/C0031 |
ページ数 |
248 |
巻数/略称 |
/縮減社会合意形成 |
商品コード |
065581
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人口減少と経済縮小の時代を迎え、放置される空間が濫発する中で、社会的に適切な空間制御を果たすべく地域社会による合意形成が不可欠である。そのような縮減社会において、いかなる合意形成を模索すべきか。「合意形成研究会」における共同研究の成果をまとめた。
はしがき
序章 合意形成という問題(金井利之)
1 空間利活用と合意形成
2 統治権力と空間利活用
3 人口減少・経済縮小社会の空間利活用
4 本書の構成
第1部 合意形成の原理論
第1章 合意形成とは何か?(齋藤純一 嶋田暁文)
1 状況概念としての「合意」
2 合意形成の展開プロセス
3 合意形成主体の範囲
4 「合意形成主体の範囲を問う」プロセス
5 利害をめぐる合意と価値をめぐる合意
6 立場と利害――「同床異夢」の重要性
7 合意形成手続の充実化がもたらすもの
8 人口減少・経済縮小と合意形成
第2章 合意形成における理由の検討(齋藤純一)
1 合意形成をめぐる状況
2 合意形成において考慮される諸理由
3 理想的状況と非理想的状況
4 非理想的状況における合意形成
5 縮小社会における合意形成への含意
第3章 人口減少・経済縮小時代の合意形成――差異への着目(嶋田暁文)
1 問題意識
2 考察枠組み
3 各事象をめぐる合意形成のあり様の差異
4 政治的営みとしての合意形成
第2部 法の作用と合意形成
第4章 法の生理による「合意の非形成」と行政介入――「見棄てられた建築物」の社会的管理(北村喜宣)
1 合意の非形成がもたらす法的フリーズ
2 法的フリーズの解消方法
3 不適正管理空き家と「積極的合意の非形成」
4 不適正管理マンションと「積極的合意の非形成」
5 合意の「質」と「安定性」
第5章 ドイツ地域社会の合意形成文化(名和田是彦)
1 ドイツの地域コミュニティにおける多数決文化
2 ブレーメン市の社会都市プログラムにおける全員一致原則と合意形成
3 全員一致はなぜ望ましいのか
4 地域社会における社会的承認欲求充足の仕組みとしての合意形成プロセスと合意による議決
第6章 合意形成と裁判(阿部昌樹)
1 交渉の決裂可能性
2 法の影での合意形成
3 ごみ焼却施設の建設をめぐる裁判と合意
第7章 公益間調整訴訟の可能性――原告適格論の改鋳を通じて(原島良成)
1 本章の問い
2 辺野古紛争に見る国・自治体間の「合意形成不全」
3 原告適格論における私権救済ドグマ
4 原告適格要件の合意論的展開
5 政府原告適格の可能性
第3部 政策決定と合意形成
第8章 空間制御における合意形成――地区内の合意、市町村と地区の合意(内海麻利)
1 縮減社会の都市空間の再編と自制的規制
2 都市計画決定と地区計画策定手続
3 事例としての「コモンシティ浦安」
4 合意形成の実態:起案局面、計画策定局面、計画決定局面
5 地区内の合意、市と地区の合意
6 空間制御における合意形成への示唆
第9章 大規模集客施設等の立地や都市計画の決定・変更に関する広域調整に見る合意形成の課題(村山武彦)
1 人口減少時代における都市の中心部と郊外部の間の土地利用に関する調整問題
2 都市計画法における広域調整の手続の経緯
3 都道府県が定めるガイドラインの内容分析
4 個別事例に見る広域調整の進め方
5 今後の方向性
第10章 都道府県の政策決定と合意形成――政策事例に基づく実証分析の試み(礒崎初仁)
1 なぜ合意形成が問題か――課題の設定
2 分析の枠組みと事例の選定
3 政策決定の事例分析――合意形成の要因と戦略
4 政策決定における合意形成の特徴と今後のあり方
5 今後の合意形成のあり方
第11章 国・自治体間の合意形成の構造(金井利之)
1 国・自治体間の合意形成の諸様式
2 都市化社会
3 縮減社会
4 合意形成の構造
終章 空間制御の合意形成理論序説(金井利之)
1 空間制御と政策一般
2 決定権の配分と合意形成
あとがき
索引
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政治哲学、行政法、行政学、社会学、都市計画分野の研究者が、人口減少・経済縮小時代という縮減社会において、土地や施設の整理・整備・利活用(=空間制御)をめぐる自治体や国、住民等との合意形成のあり方について理論的視点とその実践的取組みを解説した一冊