パワハラ行為に対して、行為者の言動を根本的に変容させ、再び、部下、組織に必要とされる管理職として能力を発揮してもらい、組織としてより働きやすい職場にしていくために、企業の人事労務担当者が行うべき取組みを実例をもとに解説する実務書。
2,200円 (本体:2,000円)
ISBN |
978‐4‐474‐06854‐4 |
発刊年月日 |
2022-03-02
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判型 |
四六判/C2034 |
ページ数 |
170 |
巻数/略称 |
/ハラスメント行動 |
商品コード |
068544
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パワハラ行為者(管理職)対応の実例に基づき、問題言動を変容させ、部下、組織に必要とされる管理職として再び能力を発揮してもらい、自浄能力の高い働きやすい組織にするために、著者や企業の人事労務担当者が実践してきた対応法を解説する。
第1章 パワハラ管理職は職場にダメージとリスクを与える
1 ハラスメントの現状~なぜパワハラは生まれるのか?~
(1)ハラスメントに関する研究および調査~ハラスメントが職場にもたらすダメージ~
(2)日本企業固有の特徴がハラスメント問題を深刻化させる
(3)「悪意のないパワハラ」「グレーゾーンのパワハラ」が目立つ
2 パワハラ防止の法律が制定~企業による対策は急務~
① 事業主によるパワハラ防止の社内方針の明確化と周知・啓発
② 苦情などに対する相談体制の整備
③ 被害を受けた労働者へのケアや再発防止
④ そのほか講ずべき措置
COLUMN パワハラの定義等及び企業が講じるべき防止措置
3 ハラスメント問題に関する人事部の困りごと
(1)現場の管理職がパワハラを気にしすぎて部下指導ができなくなる
(2)高い成果を出す人のパワハラ行為は指摘しにくい
(3)パワハラ行為者に対する処分・処分後の対応が難しい
(4)パワハラと指導のボーダーラインがわかりづらい
4 ハラスメントのない職場を目指すことは、みんなが幸せに働くため
第2章 パワハラ管理職を再生するためのアプローチ~パワハラ行為者になりやすい考え方への改善策
1 偏った思考を修正することでパワハラ行為を防止する
(1) 思い込みを捨てる
(2) 認知の偏り(ゆがみ)を解消する
① 自分を落ち着かせるつぶやき
② 気逸らし(注意の転換)
③ ユーモア
④ 合理的な考え
⑤ 自分をほめる
⑥ 課題への集中
COLUMN 認知の偏り(ゆがみ)とは
(3) 部下世代の感覚的なギャップを知る
(4) 「パワハラ」という言葉を使わない
(5) ストレスを知る
(6) 他責から自責へ
2 マネジメント力を高めることでパワハラ行為を防止する~部下との関わり方のバイブル~
STEP.1 部下を観察する
STEP.2 挨拶、声がけを強化する
STEP.3 肯定的なメッセージを送る
STEP.4 受容性を高める
STEP.5 共感性を高める
STEP.6 問いかける技術
STEP.7 適切な目標設定
STEP.8 フィードバックする
第3章 ハラスメント行為者と言われた人の変容
事例1 能力も理想も高い管理職 ~自己変容には自らの気づきが重要~
事例2 面談をやめるとパワハラ言動が再発する管理職 ~コンサルタント任せはNG~
事例3 過度の「べき」論を持つ管理職 ~手本となる存在が変容のカギ~
COLUMN 管理職へのハラスメント防止教育の展開
事例4 在宅勤務をきっかけにパワハラ言動をする管理職 ~職場環境変化への適応をサポートする~
COLUMN リモート下でのコミュニケーション~「聴く」の実践
事例5 強い正義感が原因でパワハラ言動をする管理職 ~怒りのコントロールを学ばせる~
事例6 部下と相性が合わないリーダー ~職場から離れた場所での内省は有効~
COLUMN アンガーマネジメントとは?
事例7 部下を指導したらパワハラと言われた管理職 ~デリケートな指摘は配慮が必要~
事例8 業務命令でマタハラと言われた管理職 ~業務命令の伝え方~
事例9 譲れない原則を持つ管理職 ~コアビリーフを緩和する~
事例10 周囲に溶け込めない管理職 ~パワハラ行為者の心理を理解する~
事例11 パワハラ研修を受けても腑に落ちない管理職 ~自らが講師になる荒療治も時には効果的
事例12 相談できる先輩管理職のいない新任管理職 ~面談だけではなく、職場のフォローも重要~
事例13 処分を受けて立ち直れない管理職 ~時間をかけてフォローする~
第4章 パワハラ防止にあたって人事担当者としてできること
1 人事担当者の役割
(1)必要な調査を行う
COLUMN パワハラ問が発生した際の事実調査 ~パワハラ行為者や周辺への調査方法
(2)周知活動を怠らない
(3)継続的に社員教育を実施する
2 パワハラ行為者の更生における人事担当者の役割
(1)思い込みへの気づきを促す
COLUMN 気づきのメモで、思い込みを書き換える
(2)「自己防衛」をほどく
① 事実確認におけるプライバシーへの配慮
② ヒアリング時の態度
③ パワハラ行為者を追い詰めない工夫
3 パワハラ行為者の変容につながる指導
(1)指導の前に理解しておくべきこと
① 傾聴のポイント
② 共感のポイント
③ 傾聴する人選
(2)時間をかけてフォローする ~対応不足による再発
① フォローの期間
② フォローする方法
③ フォローの効果
4 人事担当者にもセルフケアが必要 ~調査と指導に疲弊する人事
COLUMN パワハラ行為者にならないためのセルフケア
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〇パワハラ管理職に問題言動を根本的に改めさせ、再び、部下、組織に必要とされる管理職として能力を発揮してもらい、自浄能力の高い、より働きやすい組織を作るための、人事労務担当者としての対応方法と手順を理解できる。
〇企業で成功した実例に基づく解説のため、人事労務担当者にとって身近であり、理解・実践しやすい。
〇人事労務担当者がハラスメント問題を内部で解決する能力を身につけ、ハラスメントを早期に発見、解決することができるように、著者が実践してきたノウハウを実践的に解説する。