わが国の食品安全法制・食品安全行政を網羅的に論じた学術書
髙橋滋=一橋大学大学院法学研究科食品安全プロジェクトチーム〔共編〕
ISBN |
978-4-474-06559-8 |
発刊年月日 |
2019-02-14
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判型 |
A5判/C3032 |
ページ数 |
348 |
巻数/略称 |
/食品安全法制 |
商品コード |
065599
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第一線の研究者らが近時におけるわが国の食品安全法制・食品安全行政に関する論点を網羅した学術書。一橋大学の研究プロジェクトの成果をまとめたもので、中国・韓国・EU・アメリカの制度についても言及している。
第1編 総論
第1章 食品安全法制の現状と課題
1 はじめに――食品安全の仕組みの全体像
2 食品安全行政の変遷
3 食品安全基本法と食品安全委員会
4 リスク管理のための行政機関と所管法律
5 事故発生への対応
6 食品表示
7 規格と認証
8 被害救済と差止請求
9 食品衛生法の2018年改正
第2編 行政法からみた食品安全
第1章 食品・農水産物の生産工程管理と認証
――グローバル化と食の安全・安心
1 はじめに
2 「生産工程管理」と「認証」――食品安全規制手法上の特色
3 わが国の現状と課題(その1)――HACCP
4 わが国の現状と課題(その2)――GAP
5 おわりに
第2章 食品安全と行政組織
――リスク分析手法の制度化
1 はじめに
2 食品安全基本法の制定
3 食品安全委員会の組織とその特徴
4 情報発信(情報提供)とリスクコミュニケーション
5 リスク管理に当たる行政組織
6 おわりに
第3章 食品表示に関する法制度の検証
――実効性確保の観点から
1 はじめに
2 食品に関する表示制度
3 直近の動向と若干の考察
4 むすびに代えて
第4章 食品安全と食品防御
1 はじめに
2 食品安全の法的仕組み
3 食品防御の概要及び現状
4 日本における食品防御のあり方
5 むすびに代えて
第3編 消費者保護法からみた食品安全
第1章 食品安全とトレーサビリティ
1 食品の安全・安心とトレーサビリティ
2 食品トレーサビリティの定義、背景及び機能
3 食品トレーサビリティの法制度
4 HACCPあるいは生産情報公表JAS規格と食品トレーサビリティ
5 フードチェーンの可視化と食の安全・安心
第2章 食品安全と事故対応
1 食品安全確保の仕組み
2 食品の衛生
3 緊急事態等への対応
4 事故情報の収集
5 食品に関する事故の検証
6 食品の異物混入について
7 食品の自主回収
8 最後に
第3章 食品安全と消費者団体訴訟
1 はじめに
2 日本における消費者団体訴訟①――差止請求訴訟
3 日本における消費者団体訴訟②――損害賠償請求訴訟
4 食品安全と消費者団体訴訟
5 結語
第4章 食品安全と事業者の自主規制・自主管理
1 はじめに
2 食品に関する法令違反の事案
3 事業者団体の自主規制
4 新たな自主規制のあり方
第4編 刑事法からみた食品安全
第1章 食品安全法制における罰則規定の現状と課題
1 食品安全法の特質と種類
2 食品安全法と罰則規定
3 リスク社会と行政刑罰規定
4 食品安全法上の罰則規定の運用実態とその象徴性
5 食品安全法の罰則規定の課題
第2章 食品安全違反行為に対する刑事規制の可能性と限界性
――中国の事例を中心に
1 はじめに
2 中国における代表的食品安全違反事件
3 中国における食品安全違反行為の諸特徴
4 「刑事規制の厳格さと食品安全度の高さとは正比例関係でない」という実態
5 食品安全確保における刑事規制の可能性とその限界性
6 むすびに代えて
第3章 食品安全法制における刑事裁判例の動向
――日韓の比較を中心に
1 はじめに
2 食品安全関連法令等における罰則規定の概観
3 食品安全関連違反事犯の処理の実態
4 判例から見る日韓の特徴
5 むすび
第5編 自治体からみた食品安全
第1章 地方自治体からみた食品安全
――食品安全に関する自治体の役割
1 食品安全と地方自治体の組織
2 保健所における「食の安全・安心」の具体的業務
3 食中毒
4 地方自治体と国の連携、全国の連携
5 現場で考える食品安全の課題と食品衛生法の一部改正
第2章 自治体による食品衛生法違反に対する不利益処分の現状と課題
1 はじめに
2 食品衛生法違反に対する不利益処分及びその制裁的機能
3 自治体における食品衛生法違反に対する不利益処分の運用実態
4 若干の指摘
5 おわりに
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法律(特に、行政法・消費者保護法・刑事法)の研究者を対象に、食品安全法制・食品安全行政に関する個々の論点を客観的・体系的に網羅した学術的内容。