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判例法理から読み解く裁判実務 訴訟要件・訴権濫用
「訴訟要件」「訴権の濫用」に関する判例・学説を網羅的、体系的に引用して解説し、現在の裁判所の考え方(判例法理の到達点)を解説した法曹実務家の必携書!
定価
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7,040円 (本体:6,400円)
編著者名
滝澤孝臣 監修/多々良周作、瀧澤孝太郎 編著
ISBN | 978-4-474-07588-7 |
発刊年月日 | 2023-07-04 |
判型 | A5判/C3032 |
ページ数 | 528 |
巻数/略称 | /判例法理訴権 |
商品コード | 075887 |
商品概要
弁護士が、裁判所に訴訟を提起する場面において、裁判所で実務上「どのような訴えが却下(門前払い)、棄却(訴えが斥けられる)」されているか(「判例法理」の到達点)を理解し、裁判所に却下されずに的確に訴えを審理してもらうための必携書!
目次
監修の辞
はしがき
凡 例
序 本書の意義と構成
1 実体判断の入口要件としての訴訟要件と訴権の濫用
2 入口要件の役割・機能
3 入口要件と憲法との関係
4 考察の中心となる入口要件
⑴ 裁判所の権限に由来する訴訟要件(訴えの適格:第2編)
ア 審判権の対象としての法律上の争訟
イ 管轄権の内容たる民事訴訟事項
⑵ 民事訴訟法に由来する訴訟要件
ア 訴えの利益(第3編)
イ 当事者適格(第4編)
ウ 訴権の濫用(第5編)
第1編 訴訟要件・総論
第1 意 義
第2 種 類
1 訴訟係属に関する訴訟要件
2 当事者に関する訴訟要件
3 裁判所に関する訴訟要件
4 訴訟物に関する訴訟要件
第3 審理の在り方
1 職権調査事項と抗弁事項
2 職権探知主義と弁論主義
⑴ 資料収集の責任
⑵ 自白の成立の範囲
3 審理順序
⑴ 訴訟要件相互間
⑵ 本案の判断との前後関係
4 訴訟要件の具備されるべき時期
⑴ 事実審の口頭弁論終結時
ア 原 則
イ 事実審の口頭弁論終結後に生じた訴訟要件の変更を考慮する場合
⑵ 訴え提起時
ア 管 轄
イ 訴訟係属が適法に生じたことに関する訴訟要件
第4 訴訟要件の欠缺の場合に裁判所がとるべき措置
1 補 正
⑴ 任意の補正
⑵ 裁判所の補正命令
ア 呼出費用の予納のない場合(民訴法141条)
イ 訴訟能力、法定代理権又は訴訟行為をするのに必要な授権を欠く場合
ウ その他の場合
2 移送(管轄違いの場合)
3 終局判決等
⑴ 訴え却下判決
ア 手 続
イ 既判力
⑵ 請求棄却判決
⑶ 訴訟終了宣言
ア 意 義
イ 具体例
4 和 解
5 訴えの取下げ
第5 訴訟要件の欠缺を看過した判決について
1 訴訟要件の欠缺を看過した判決の効力とその確定
2 判決確定前の是正方法
3 判決確定後の是正方法
⑴ 再 審
⑵ 新訴における対応
⑶ 強制執行に対する処置
ア 現実的に想定される事案
イ 採り得る手段
第2編 訴訟要件・各論⑴─訴えの適格
第1章 総 論
1 法律上の争訟
2 民事訴訟事項
第2章 法律上の争訟
第1 審判権の対象となる「法律上の争訟」
1 判例が定義する「法律上の争訟」
⑴ はじめに
⑵ 主な判例
ア 最大判昭和27・10・8民集6巻9号783頁〔27003388〕(警察予備隊違憲訴訟)
イ 最一小判昭和29・2・11民集8巻2号419頁〔27003209〕
ウ 最大判昭和35・10・19民集14巻12号2633頁〔27002388〕
エ 最三小判昭和56・4・7民集35巻3号443頁〔27000141〕(板まんだら事件)
オ 最一小判平成30・4・26集民258号61頁〔28261884〕
カ 最大判令和2・11・25民集74巻8号2229頁〔28283801〕
2 判例の整理(3つの要件)
第2 具体的な権利義務ないし法律関係についての紛争であること(要件①)
1 権利義務ないし法律関係の存否に関するものであること
⑴ 主観的意見又は感情に基づく精神的不満をいうにすぎない訴訟(教育勅語失効確認決議違憲訴訟・最三小判昭和28・11・17集民10号455頁〔27600644〕)
⑵ 弁済の事実の確認を求める訴訟(最三小判昭和39・3・24集民72号597頁〔27621647〕)
⑶ 具体的相続分(民法903条1項)の価額又は割合の確認を求める訴訟(最一小判平成12・2・24民集54巻2号523頁〔28050495〕)
⑷ 行政上の義務履行を求める訴訟(最三小判平成14・7・9民集56巻6号1134頁〔28071914〕・宝塚市パチンコ店規制訴訟)
2 当事者間に具体的な紛争が存在すること
⑴ 警察予備隊違憲訴訟(最大判昭和27・10・8民集6巻9号783頁〔27003388〕)
⑵ 村議会予算議決無効確認訴訟(最一小判昭和29・2・11民集8巻2号419頁〔27003209〕)
⑶ 裁判所支部改廃訴訟(最二小判平成3・4・19民集45巻4号518頁〔27808493〕)
⑷ 在外国民選挙権訴訟(最大判平成17・9・14民集59巻7号2087頁〔28101810〕)
⑸ 在外国民審査権訴訟(最大判令和4・5・25民集76巻4号711頁〔28301356〕)
⑹ 自衛官命令服従義務不存在確認訴訟(最一小判令和元・7・22民集73巻3号245頁〔28272972〕)
3 客観訴訟
4 実務上の問題点
第3 法令の適用によって終局的に解決できること(要件②)
1 学術論争・試験の合否をめぐる係争
⑴ 裁判例
ア 学術論争
イ 試験の合否をめぐる係争
⒜ 技術士国家試験の合否判定(最三小判昭和41・2・8民集20巻2号196頁〔27001227〕)
⒝ 法律上の争訟性が否定された下級審裁判例
⑵ 実務上の問題点
ア 法律上の争訟性が問題とならないもの
⒜ 試験の在り方等に関する裁判例
⒝ 他事考慮等による裁量権の逸脱・濫用に関する裁判例
イ 検 討
2 宗教団体をめぐる係争
⑴ 裁判例
ア 宗教活動それ自体に関する紛争を訴訟物とするもの
イ 具体的な権利義務ないし法律関係に関する紛争の判断過程において、宗教上の教義、信仰が問題となるもの
ウ 検 討
⑵ 実務上の問題点
ア 法律上の争訟性が問題とならないもの
⒜ 霊感商法関係
⒝ オウム真理教関係
イ 検 討
第4 事柄の性質上司法審査に適しないような事情が存しないこと(要件③)
1 はじめに
2 団体の自律権に関する係争
⑴ 地方議会関係
ア 請求(訴訟物)の内容自体について地方議会の自律権が問題となった裁判例(処分取消訴訟等)
⒜ 最大判昭和35・3・9民集14巻3号355頁〔27002490〕(議員の除名処分:肯定)
⒝ 最大判昭和35・10・19民集14巻12号2633頁〔27002388〕(出席停止の懲罰:否定)
⒞ 最一小判平成30・4・26集民258号61頁〔28261884〕(発言取消命令:否定)
⒟ 最大判令和2・11・25民集74巻8号2229頁〔28283801〕(出席停止の懲罰:肯定)
イ 自律権が前提問題となる国家賠償請求訴訟
⒜ 最三小判平成6・6・21集民172号703頁〔27825611〕
⒝ 最一小判平成31・2・14民集73巻2号123頁〔28270571〕
ウ 実務上の問題点
⒜ 部分社会の法理の現在地
⒝ 変更された判例
⒞ 懲罰事由
⒟ 審理における問題点
⑵ 政 党
⑶ 学校関係
ア 裁判例
⒜ 大学等の内部問題
⒝ その他の紛争
イ 実務上の問題点
⑷ その他
3 統治行為論・自由裁量論
⑴ 衆議院の解散(苫米地事件・最大判昭和35・6・8民集14巻7号1206頁〔27002449〕)
⑵ 条約に関する司法審査(砂川事件・最大判昭和34・12・16刑集13巻13号3225頁〔27660683〕)
⑶ 政府の経済施策の施行(最一小判昭和57・7・15集民136号571頁〔27662568〕)
⑷ 実務上の問題点
第3章 民事訴訟事項
第1 概 説
1 管轄権の内容としての民事訴訟事項
2 その他の手続との関係
第2 非訟事件との関係
1 総 論
2 訴訟事件と非訟事件の区別に関する判例
⑴ 最大決昭和40・6・30民集19巻4号1089頁〔27001291〕
⑵ 最大決昭和45・6・24民集24巻6号610頁〔27000716〕
3 訴訟事件と非訟事件の互換性
⑴ 立法裁量の範囲
⑵ 形式的形成訴訟の位置付け
⑶ 訴訟事件から非訟事件とされたもの
4 非訟事件の手続と「裁判を受ける権利」との関係
5 実務上の問題点
⑴ 民事非訟事件と民事訴訟事件の関係が問題となるもの
ア 借地非訟事件
⒜ 総 論
⒝ 地代等確定請求との関係
イ 会社非訟事件
⒜ 総 論
⒝ 株主かどうかが争点とされる会社非訟事件
⒞ ある財産が会社の資産かどうかが争いとなる事件
ウ 破産債権の確定手続
⒜ 総 論
⒝ 債務名義のない破産債権について
⒞ 債務名義が存在する破産債権について
⑵ 争訟性の高い非訟事件における審理の打ち切り
ア 総 論
イ 非訟事件による審理が相当ではない場合の処理
⒜ 労働審判法24条による終了
⒝ 抵当不動産競売事件における執行異議の却下
⒞ 損害賠償命令事件の通常移行
第3 刑事事件との関係
1 刑事訴訟手続の中で審理されるべき事項
⑴ 起訴の適否等を争う民事訴訟等
ア 判例の立場
イ 実質的根拠
⑵ 刑事確定判決の効力を否定することを目的とする民事訴訟
ア 刑事確定判決の効力について
イ 判 例
2 刑事訴訟で審判が予定される事項について
3 刑事訴訟手続過程における違法を主張する国家賠償請求
⑴ 一般的な判断枠組み
⑵ 時期的な制限(違法性の判断に立ち入らない場合①)
ア 捜査段階
イ 公判係属中(判決確定まで)
⑶ 有罪判決を損害とする損害賠償請求(違法性の判断に立ち入らない場合②)
ア はじめに
イ 裁判例
⑷ 検 討
4 証人等に対する不法行為に基づく損害賠償請求
⑴ 刑事裁判の蒸し返し的な訴訟に関する裁判例
⑵ 審理の在り方
5 刑事手続の成果の民事手続における利用
⑴ 損害賠償命令制度
⑵ 通常の民事訴訟
第4 行政事件との関係
1 総 論
⑴ 民事訴訟と行政事件訴訟
ア 区別の意義
イ 区別の基準
2 民事訴訟と行政庁の公権力の行使に関する不服の訴訟との区別(すみわけ1)
⑴ 行政庁の公権力の行使とは
⑵ 処分性の判定基準
ア 行為の公権力性の要件
イ 法律上の地位に対する影響
⑶ 「公権力の行使」と民事訴訟について
⑷ 実務上の問題点
3 民事訴訟と実質的当事者訴訟との区別(すみわけ2)
⑴ 総 論
⑵ 実質的当事者訴訟の類型
ア 給付訴訟
イ 確認訴訟
⑶ 民事訴訟との区別
ア 実体法的アプローチ
イ 機能的アプローチ
ウ 平成16年行政事件訴訟法改正
4 行政処分が違法であることを理由とする国家賠償請求訴訟
⑴ 国家賠償制度
⑵ 国家賠償請求訴訟と行政事件訴訟の関係
第5 家事事件との関係
1 緒 論
2 家事事件手続の概要
3 家事審判事項についての具体的な定めが訴訟物の存否の判断に必要となる場面
⑴ 最高裁の事例
⑵ 訴え却下とするか請求棄却とするか
⑶ 審理運営上の留意点
4 父母間において子の引渡しが求められる場面
⑴ 家事事件手続と民事訴訟手続の競合
ア 家事審判事項としての子の引渡し
イ 民事訴訟事項としての子の引渡し
ウ 小 括
⑵ 民事訴訟手続の利用を権利濫用とすることによる手続選択
ア 最三小決平成29・12・5民集71巻10号1803頁〔28254688〕
イ 審理運営上の留意点
ウ 最三小判平成5・10・19民集47巻8号5099頁〔25000058〕との関係
5 遺産分割において民事訴訟手続と家事事件手続とが相互に関連する場面
⑴ 遺産分割の前提問題
ア 遺産の範囲の確定の必要性と遺産確認の訴え等
イ 審理運営上の留意点
⑵ 遺産共有持分と他の共有持分とが併存する場合における共有物分割の訴え
ア 原則的な共有状態の解消方法
イ 最二小判平成25・11・29民集67巻8号1736頁〔28214060〕
ウ 審理運営上の留意点
第6 その他の手続との関係
1 上訴制度を利用しない場合
⑴ 原 則
⑵ 判決の騙取ないし不当取得の場合
2 民事執行手続内での救済制度を利用しない場合
⑴ 不当執行に関する国家賠償請求の否定
⑵ 過誤配当に関する不当利得返還請求の可否
3 手続の排他性が認められる場合
第7 まとめ
第3編 訴訟要件・各論⑵─訴えの利益
第1章 総 論
第1 意 義
第2 訴えの利益が訴訟要件として要求される根拠・判断基準
第3 訴えの利益を基礎付ける事実の立証責任
第4 訴えの利益に関する審理判断の順序(先に請求棄却の心証が形成された場合の取扱い)
第5 すべての訴えの類型に共通する訴えの利益
1 訴え提起が禁止されていないこと
2 裁判外で目的を達することができる場合
3 当事者間に訴訟制度を利用しない合意がないこと
⑴ 不起訴合意
ア 意 義
イ 法的性質
ウ 要 件
エ 合意の趣旨・効力が問題となる場合
⑵ 民事訴訟手続に先立って別の制度を利用する旨の合意
⑶ 仲裁合意(仲裁法14条1項)
⑷ 訴訟係属中の訴えの取下げ合意
4 債務名義が存在する場合
5 民事訴訟以外の制度が存在する場合
6 本案の判断の前提となる訴訟手続上の権利又は法律関係の確認
7 現行法上存在しない法規に基づく請求等を内容とする訴え
8 内容において不法又は不能な請求
9 訴権の濫用と認められる場合でないこと
第2章 給付の訴え
第1 現在給付の訴え
1 総 説
2 強制執行し得る債務名義等を有する場合
⑴ 確定給付判決
ア 原則:訴えの利益否定
イ 例 外
⑵ 和解調書・調停調書
⑶ 執行証書・支払督促
⑷ 単純執行文以外の執行文の付与を受ける必要がある場合
ア 承継執行文
イ 条件成就執行文
⑸ 既存の債務名義の内容に疑義がある場合
3 強制執行による権利の実現が不可能又は困難な場合
⑴ 概 説
⑵ 強制執行による給付の実現が事実上不可能又は困難な場合
ア 最高裁の判例
イ 下級審裁判例
⑶ 強制執行が法律上不可能な場合
ア 義務の性質上不可能な場合
イ その他の強制執行が法律上不可能な場合
⒜ 自然債務
⒝ 責任なき債務について
⒞ 債権の処分の制限を受けた場合
4 給付の訴え以外の方法が用意されている場合
⑴ 概 説
⑵ 訴訟費用額等の確定手続
⑶ 仮執行宣言失効時の原状回復及び仮執行による損害の賠償等
⑷ 外国判決があって執行判決を求められる場合(民執法24条)
⑸ 仲裁判断があって執行決定を申し立てられる場合(仲裁法46条)
⑹ 不動産引渡命令
5 確認の訴えとともに提起された給付の訴えについて訴えの利益が否定される場合
6 原告が訴訟追行する権利を放棄したと認められる場合
第2 将来給付の訴え
1 総 説
2 将来給付の訴えの対象となる請求権(将来給付の請求適格)
⑴ 概 要
⑵ 継続的不法行為による将来の損害賠償請求
ア 不動産の不法占拠者に対する損害賠償請求
イ 公害・生活妨害に関する損害賠償請求
⒜ 大阪国際空港訴訟判決(最大判昭和56・12・16民集35巻10号1369頁〔27000111〕)
⒝ 大阪国際空港訴訟判決後の判例・裁判例の動向
⑶ 賃貸駐車場から将来発生する賃料収入に係る不当利得返還請求
3 将来給付の訴えの利益
⑴ 概 要
⑵ 債務者の態度から適時の履行が期待できない場合
⑶ 債務の性質等から適時の履行が債権者にとって特に必要である場合
⑷ 本来の給付の訴えに係る請求権の履行不能等を条件として、将来の損害賠償請求(代償請求)をする場合
第3章 確認の訴え
第1 概 説
1 確認の利益の概要
2 確認の利益で問題となるトピックの概要
⑴ 確認対象の選択の適否
⑵ 方法選択の適否
⑶ 即時確定の利益
⑷ 第三者の権利義務又は法律関係の確認
第2 方法選択の適否
1 総 説
2 給付の訴えが可能な場合の確認の訴えの適否
⑴ 請求権自体の確認の利益の有無
⑵ 基本的法律関係の確認の利益の有無
ア 所有権の確認
イ 賃借権等の確認
ウ 二重起訴の禁止との関係
3 形成の訴えが可能な場合の形成権の確認の訴えの適否
4 自己の権利の積極的確認ができる場合の相手方の権利の消極的確認の適否
⑴ 原則的取扱い
⑵ 例外的に消極的確認の利益を肯定し得る場合
ア 占有及び登記を有する原告による被告の所有権の消極的確認
イ 先願商標権の不存在確認
ウ 優先抵当権の不存在確認
エ 特許権侵害による損害賠償請求権の不存在確認(判例は否定)
5 消極的確認訴訟提起後に給付訴訟が提起された場合の関係
6 本案判断の前提をなす手続問題を別訴で確認する利益の有無
⑴ 原則的取扱い
⑵ 和解無効確認の訴え
7 本案問題の前提となる事項について争いがある場合の当該前提問題の確認訴訟の適否
⑴ 原則的取扱い
⑵ 例外的に前提問題についての確認の利益が肯定される場合
ア 遺産確認の訴え
イ 遺言無効確認の訴え
8 身分・地位の存否の確認の訴えの適否
⑴ 団体の代表者たる地位の存否の確認の利益
⑵ 身分関係の存否の確認の利益
ア 親子関係存否の確認の訴え
イ 離縁無効確認の訴え
第3 確認対象の選択の適否
1 原則論
2 現在の法律関係の確認(①の命題)について
⑴ 概 説
⑵ 実定法上認められている過去の法律関係の確認
ア 新株発行等の不存在確認の訴え(会社法829条)
イ 株主総会決議の不存在又は無効確認の訴え(会社法830条)
ウ 婚姻無効の訴え、協議上の離婚の無効確認の訴え、婚姻関係の存否の確認の訴え(人訴法2条1号)
エ 認知無効確認、実親子関係存否の確認の訴え(人訴法2条2号)
オ 養子縁組無効の訴え、協議上の離縁の無効確認の訴え、養親子関係の存否の確認の訴え(人訴法2条3号)
⑶ 過去の法律関係の確認に関する判例
ア 相続に関するもの
⒜ 相続放棄無効確認の訴え
⒝ 遺言無効確認の訴え
⒞ 遺産確認の訴え
⒟ 特別受益財産であることの確認の訴え
イ 親子関係に関するもの
ウ 和解無効確認の訴え
エ 団体の決議の無効・不存在確認の訴え
⒜ 消費生活協同組合法による協同組合の総会決議
⒝ 学校法人の理事会及び評議員会決議
⒞ 医療法人の社員総会の決議
⒟ 宗教法人の責任役員及び代表役員を選定する檀信徒総会決議の不存在確認
オ その他
⒜ 賃料増減額請求の効果が生じた時点の賃料額
⒝ 学校法人がその被用者である大学教授に対し、教授会への出席その他の教育諸活動をやめるよう求めた要請の無効確認
3 法律関係の確認(②の命題)について
⑴ 概 説
⑵ 証書真否確認の訴え(民訴法134条)
⑶ 事実や法律行為の確認について確認の利益を肯定した判例
第4 即時確定の利益(即時解決の必要性)
1 総 説
2 法律上の利益又は地位の存在
⑴ 法的保護の対象となる原告の利益又は地位の侵害が認め難い場合
ア 意 義
イ 確認の利益が否定された事例
⒜ 最高裁の事例
⒝ 下級審の事例
⑵ 法律上保護に値する利益の存在が認められて確認の利益が肯定された事例
ア 団体の構成員による団体の運営の根幹に関わる重要事項に係る決議の存否確認の訴え等
イ その他参考となり得る事例
3 原告の利益又は地位に対する不安、危険の現実性
⑴ 現状においては原告が事実上の期待権を有しているにすぎない場合
ア 意 義
イ 確認の利益が否定された事例
⑵ 当該行為によって原告の権利が侵害されたとはいまだいえない場合
ア 意 義
イ 確認の利益が否定された事例
⑶ 他の手続において審理判断されることが予定されている法律関係
ア 確認の利益が否定された事例
イ 確認の利益が肯定された事例
⑷ 将来の法律関係と即時確定の利益
ア 将来の法律関係の確認を求める場合における即時確定の利益の否定
イ 条件付きの現在の法律関係と捉えることができる場合
4 確認判決を得ることの必要性ないし適切性
⑴ 被告の応訴態度と確認判決を得ることの必要性ないし適切性
ア 当事者間に争いがない場合における即時確定の利益の否定
イ 「争いの有無」の捉え方
ウ 戸籍訂正の必要性等を理由とする即時確定の利益の肯定
エ 被告の応訴態度と即時確定の利益に係るその他の注目すべき最高裁判例
⑵ 確認判決の紛争予防効果に着目したと考えられるもの
ア 紛争予防効果に着目して即時確定の利益を肯定したと考えられる事例
イ 確認の利益が否定された事例
5 当事者選択の適切性と即時確定の利益
6 確認の利益の後発的消滅
⑴ 役員選任決議不存在確認の訴えにおける確認の利益の後発的消滅
⑵ 親子関係不存在確認の訴えにおける確認の利益の後発的消滅
7 訴訟類型ごとの整理
⑴ 労働関係訴訟
ア 雇用関係上の地位の確認に係る訴えと確認の利益
イ 将来の雇用関係の確認に係る訴えと確認の利益
ウ 懲戒処分の無効確認に係る訴えと確認の利益
⑵ 相続関係訴訟
ア 遺産確認の訴えと確認の利益
イ 遺言無効確認の訴えと確認の利益
ウ 特別受益財産性・具体的相続分の確認を求める訴えと確認の利益
⑶ 人事訴訟
ア 親子関係存否確認の訴えと確認の利益
イ 婚姻等無効確認の訴えと確認の利益
⑷ 交通事故訴訟
第5 債務不存在確認の訴え
1 総 説
2 債務不存在確認の訴えにおける確認の利益
⑴ 基本的な考え方
⑵ 確認の利益が否定される場合
3 給付の訴えと債務不存在確認の訴えがともに提起された場合
⑴ 給付の訴えが係属中に債務不存在確認の訴えが提起された場合
⑵ 債務不存在確認の訴えが係属中に給付の訴えが提起された場合
ア 給付の訴えが別訴として提起された場合
イ 給付の訴えが反訴として提起された場合
第4章 形成の訴え
第1 総 論
1 意 義
2 形成の訴えの種類
⑴ 実体法上の形成の訴え
⑵ 訴訟法上の形成の訴え
⑶ 形式的形成訴訟
3 訴えの利益
第2 行政事件としての取消訴訟における訴えの利益
1 基本的な考え方
2 事情の変化等と訴えの利益の存否
⑴ 問題となる類型
⑵ 判例理論
第3 会社・団体の決議取消しの訴えの利益
1 基本的な考え(実益説)
2 実益の消滅の有無が争点となる類型
⑴ 決議後に決議に基づく新株発行がされた場合
⑵ 決議後に決議に基づく合併等がされた場合
⑶ 決議後に同一の内容の決議がされた場合
⑷ 決議後に別の決議がされた場合
ア 昭和45年最判(否定)
イ 令和2年最判(肯定)
ウ 瑕疵の連鎖
3 審理運営上の留意点
⑴ 別訴提起・訴えの変更と出訴期間の関係
ア 決議後に新株発行がされた場合
イ 決議後に合併等がされた場合
⑵ 実益の有無
⑶ 瑕疵の連鎖の有無
第4 その他の形成の訴え
1 訴訟法上の形成の訴え
⑴ 請求異議の訴え(民執法35条)
⑵ 第三者異議の訴え(民執法38条)
2 形式的形成訴訟
⑴ 境界確定の訴え
⑵ 共有物分割の訴え
第4編 訴訟要件・各論⑶─当事者適格
第1章 総 論
第1 訴えの当事者
1 当事者の意義
2 当事者の確定
⑴ 重要性
⑵ 確定の方法
⑶ 当事者が不存在の場合の処理
ア 当初から存在しない場合
イ 訴訟係属後に存在しなくなった場合(承継が起きない場合)
第2 当事者適格の意義
1 定 義
2 当事者適格が訴訟要件とされる趣旨
第3 当事者適格の所在
1 原則(最大判昭和45・11・11民集24巻12号1854頁〔27000676〕)
2 各訴訟類型における当事者適格(原則)
⑴ 給付の訴え
ア 原則的な理解
イ 裁判例
⒜ 最三小判平成23・2・15集民236号45頁〔28170213〕(原告適格)
⒝ 最一小判昭和61・7・10集民148号269頁〔27802808〕(被告適格)
⑵ 確認の訴え
ア 原則的な理解(確認の利益との関係)
イ 管理処分権の有無について
⑶ 形成の訴え
ア 原則的な理解
イ 当事者適格を法定する趣旨
3 問題の所在
⑴ 当事者適格が問題となる訴訟類型の存在【第2章で詳説】
ア 会社関係訴訟
イ 執行関係訴訟
ウ 形式的形成訴訟
⑵ 第三者による訴訟担当【第3章で詳説】
⑶ 固有必要的共同訴訟【第4章で詳説】
⑷ 権利能力なき社団に関する訴訟【第5章で詳説】
第2章 当事者適格が問題となる訴訟類型
第1 会社関係訴訟
1 総 論
2 会社の組織に関する訴え(各論1)
⑴ 株主の原告適格について
ア 原則と問題の所在
イ 議決権数が要件とならない場合
ウ 議決権数が要件となる場合
⑵ 会社関係者以外のもの
3 株式会社における責任追及等の訴え(各論2)
4 実務上の問題点
⑴ 法定されていない当事者適格
⑵ 会社の代表者
第2 法人の内部紛争
1 総 論
2 裁判例
⑴ 最二小判昭和36・11・24民集15巻10号2583頁〔27002235〕
⑵ 最一小判昭和44・7・10民集23巻8号1423頁〔27000799〕
第3 執行関係訴訟
1 総 論
2 配当異議の訴え(民執法90条)
⑴ 法的性質について
⑵ 当事者適格に関する裁判例
ア 担保権実行の場合の債務者兼所有者(肯定:最二小判昭和49・12・6民集28巻10号1841頁〔27000405〕)
イ 担保権実行の場合の物上保証を受けている債務者(肯定:最三小判平成9・2・25民集51巻2号432頁〔28020460〕)
ウ 配当表に記載のない債権者(否定:最一小判平成6・7・14民集48巻5号1109頁〔27824762〕)
3 競売請求訴訟(区分所有法59条1項)
⑴ 法的性質について
⑵ 当事者適格について
ア 原 則
イ 区分所有権を譲り受けた者の当事者適格
⒜ 口頭弁論終結前の譲受人
⒝ 口頭弁論終結後の譲受人(競売申立ての相手方適格を否定:前掲最三小決平成23・10・11〔28174352〕)
第4 形式的形成訴訟
1 境界確定の訴え
⑴ 法的性質について
⑵ 当事者適格について
ア 実体法上の所有者であること
⒜ 単なる不動産登記記録上の所有者(否定:最一小判昭和59・2・16集民141号227頁〔27651286〕)
⒝ 地上権者(否定:最一小判昭和57・7・15集民136号597頁〔27431986〕)、その他の物権者・賃借権者(否定)
イ 相隣接する各土地の所有者であること
⒜ 訴え係属中に土地を第三者に譲渡した場合(否定)
⒝ 一方が他方の土地の一部のみを時効取得した場合(肯定:最三小判昭和58・10・18民集37巻8号1121頁〔27000033〕)
⒞ 一方が境界全部に接続する部分を時効取得した場合(肯定:最三小判平成7・3・7民集49巻3号919頁〔27826695〕)
⒟ 一方が他方の土地全部を時効取得した場合(否定:最三小判平成7・7・18集民176号491頁〔27827575〕)
ウ 共有地の場合
⒜ 固有必要的共同訴訟
⒝ 同調しない者がいる場合
エ 3点で交わる場合の当事者適格
⑶ 実務上の問題点
2 共有物分割の訴え
⑴ 法的性質について
⑵ 当事者適格について
⑶ 実務上の問題点
ア 他の持分権者に売却等した場合
イ 持分権者以外の第三者に売却等した場合
第3章 第三者による訴訟担当
第1 法定訴訟担当
1 意 義
⑴ 法定訴訟担当の具体例
⑵ 法定訴訟担当ではないとされているもの
ア 不在者の財産管理人(最二小判昭和47・9・1民集26巻7号1289頁〔27000544〕)
イ 相続財産管理人(最一小判昭和47・11・9民集26巻9号1566頁〔27000533〕)
ウ 権利能力なき社団である入会団体(最一小判平成26・2・27民集68巻2号192頁〔28220785〕)
エ 社債管理者(会社法705条)
⑶ 明確にされていないもの
ア 特定適格消費者団体(消費者の財産的被害の集団的な回復のための民事の裁判手続の特例に関する法律3条)
2 遺言執行者
⑴ 総 論
⑵ 裁判例
ア 受遺者が移転登記手続を求める場合の被告適格(最二小判昭和43・5・31民集22巻5号1137頁〔27000953〕)
イ 受遺者に登記が移転した後に相続人がその抹消を求める場合の被告適格(最二小判昭和51・7・19民集30巻7号706頁〔27000316〕)
ウ 特定の不動産を相続させる旨の遺言がされたが、登記が被相続人名義のままである場合の被告適格(最三小判平成7・1・24集民174号67頁〔27827052〕)
エ 特定の不動産を相続させる旨の遺言がされたが、他の相続人に所有権移転登記を経由した場合の原告適格(最一小判平成11・12・16民集53巻9号1989頁〔28042855〕)
オ 特定の不動産について相続させる旨の遺言がされた場合の当該不動産についての賃借権確認訴訟の被告適格(最二小判平成10・2・27民集52巻1号299頁〔28030546〕)
⑶ 実務上の問題点
3 代位債権者
⑴ 総 論
ア 債務者の権利行使との関係
⒜ 債務者が既に権利を行使していた場合の代位権の行使(否定:最一小判昭和28・12・14民集7巻12号1386頁〔27003253〕)
⒝ 債権者代位訴訟提起後の債務者の別訴提起の可否(否定:大判昭和14・5・16民集18巻557頁〔27500301〕)
⒞ 債権者代位訴訟係属中の債務者による訴訟参加(肯定:最三小判昭和48・4・24民集27巻3号596頁〔27000495〕)
イ 代位原因が消滅した場合の当事者適格
⒜ 被代位権利が弁済により消滅した場合(東京地判昭和58・10・21判タ519号178頁〔27406042〕)
⒝ 被保全債権について免責許可決定が確定した場合(東京高判平成20・4・30金融商事1304号38頁〔28142205〕)
⒞ 債権を保全する必要性が消滅した場合(東京地判平成27・3・26平成24年(ワ)21322号公刊物未登載〔29024960〕)
ウ 自己の債権額を超えた債務者の権利の行使部分(最三小判昭和44・6・24民集23巻7号1079頁〔27000813〕)
エ 被保全債権の不存在を立証した場合(大阪地判昭和45・5・28下級民集21巻5・6号720頁〔27403516〕
⑵ 代位債権者が行使できる権利
ア 債務者の一身に専属する権利ではないこと
イ 差押えを禁じられた権利ではないこと
⑶ 一身専属性の有無が争われた裁判例
ア 離婚に伴う財産分与請求権(行使上の一身専属性を肯定:最二小判昭和55・7・11民集34巻4号628頁〔27000169〕)
イ 遺留分減殺請求権(行使上の一身専属性を肯定:最一小判平成13・11・22民集55巻6号1033頁〔28062425〕)
ウ 慰謝料請求権(行使上の一身専属性を肯定:最一小判昭和58・10・6民集37巻8号1041頁〔27000036〕)
エ 形成権の行使
⑷ 実務上の問題点
4 取立権を有する債権者(差押債権者、債権質の質権者)
⑴ 総 論
ア 差押債権者
イ 債権質の質権者
⑵ 債務者(被差押債権の債権者)の当事者適格
ア 債務者の当事者適格
イ 債務者による訴訟参加
ウ 債務者による訴訟提起が先行する場合
⑶ 取立訴訟における当事者適格総論
ア 取立訴訟における当事者適格の範囲
イ 執行停止等があった場合の当事者適格
ウ 執行取消しがあった場合の当事者適格
エ 差押命令申立事件が取下げにより終了した場合の当事者適格
オ 債務者に破産手続開始決定があった場合
⑷ 差押債権者の取立権と行使できる権利
ア 取立権に基づいて行使できる権利の範囲:最一小判平成11・9・9民集53巻7号1173頁〔28042084〕
イ 一身専属的権利について
ウ 解約権や解除権などの行使の可否について
⒜ 生命保険契約に係る解約返戻金請求権の差押債権者による解約権の行使(肯定:最一小判平成11・9・9民集53巻7号1173頁〔28042084〕)
⒝ 自動車保険契約に係る解約返戻金の差押債権者による解約権の行使(否定:東京地判平成28・9・12金融法務2064号88頁〔29020155〕)
⒞ 証券投資信託の受益証券に係る解約返戻金請求権の差押債権者による解約実行請求(肯定:最一小判平成18・12・14民集60巻10号3914頁〔28130120〕)
⒟ 敷金返還請求権の差押債権者による賃貸借契約の解除(解釈上否定)
⒠ 退職金請求権の差押権者による退職の申入れ(解釈上否定)
⒡ 持分会社の持分権・協同組合の持分権の差押債権者による会社・組合の脱退(肯定)
エ そのほかの権利
⒜ 被相続人の預金債権
⒝ 担保権付き債権を差し押さえた場合
⑸ 実務上の問題点
5 破産管財人
⑴ 総 論
ア 破産管財人に管理処分権が専属する財産について
⒜ 破産者の一身専属的権利
⒝ 自由財産
イ 破産財団に関する訴訟の当事者適格
ウ 破産手続と民事訴訟との関係
⒜ 破産者が当事者である場合
⒝ 債権者代位訴訟及び詐害行為取消訴訟の場合
⑵ 破産管財人が当事者適格を持つ訴訟(各論)
ア 不法行為に基づく慰謝料請求訴訟
イ 遺留分減殺請求訴訟(形成権行使後の給付訴訟として)
ウ 遺言無効確認訴訟
エ 訴訟以外のもの(参考)
⒜ 遺産分割請求
⒝ 財産分与請求
6 特定適格消費者団体
第2 任意的訴訟担当
1 意 義
2 明文のある任意的訴訟担当
⑴ 選定当事者
ア 要 件
イ 効 果
ウ 実務上の問題点
⑵ 取立委任裏書(手形法18条)
⑶ 区分所有法上の管理組合
ア 区分所有法26条4項
イ マンション管理組合の理事長の地位
ウ 実務上の問題点
⑷ 業務委託を受けた債権回収会社(サービサー)
3 明文のない任意的訴訟担当
⑴ 総 論
⑵ 任意的訴訟担当が許容される要件
ア 昭和45年判決の示した要件
イ 分 析
⒜ 前提要件
⒝ 第1要件
⒞ 第2要件
⑶ 任意的訴訟担当を肯定した例
ア 昭和45年判決以前
イ 組合の業務執行組合員(昭和45年判決)
ウ 権利能力なき社団の代表者ではない構成員(最三小判平成6・5・31民集48巻4号1065頁〔27819952〕)
エ 債券管理会社(最一小判平成28・6・2民集70巻5号1157頁〔28241791〕)
オ 下級審裁判例
⒜ 日本国(東京地判昭和60・12・27訟務月報32巻11号2565頁〔27801254〕)
⒝ シンジケートの構成員である筆頭保険者(東京地判平成3・8・27判タ781号225頁〔27811325〕)
⑷ 任意的訴訟担当を否定した例
ア 一定の地域の代表として環境権に基づき火力発電所の操業の差止め等を請求する訴訟を提起・追行する者(最二小判昭和60・12・20集民146号339頁〔27802783〕)
イ 芸能プロダクション(東京地判平成17・8・31判タ1208号247頁〔28111359〕)
ウ 競輪選手の加入団体である社団法人(東京地判平成3・8・27判タ777号221頁〔27811041〕)
エ 権利能力なき社団から委任を受けた者(大阪高判平成元・6・23判タ708号260頁〔27804960〕)
オ 損害保険の保険契約者(東京高判平成8・3・25判タ936号249頁〔28020973〕)
⑸ 小 括
第4章 固有必要的共同訴訟
第1 総 論
1 必要的共同訴訟の定義
2 必要的共同訴訟の種類
⑴ 固有必要的共同訴訟
⑵ 類似必要的共同訴訟
3 固有必要的共同訴訟の審理の規律
⑴ はじめに
⑵ 当事者適格欠缺の場合
ア 原 則
イ 補正の方法
ウ 非同調者の処遇
⑶ 訴えの取下げ等の制限
第2 固有必要的共同訴訟の成否が問題となる訴訟類型
1 総 論
2 請求原因及び請求の独立(否定)
3 他人間の権利関係等の変動を目的とする訴訟(原則として肯定)
⑴ 会社関係訴訟
⑵ 詐害行為取消請求訴訟(否定)
⑶ 破産手続における破産債権査定異議訴訟
4 管理処分権又は訴訟追行権の共同行使が要求される場合(肯定)
5 共有物関係訴訟
⑴ 目的物引渡請求訴訟(否定)
ア 保存行為(民法252条ただし書)を根拠とする場合(否定)
イ 不可分債権(民法428条)となる場合(債権者側・否定)
ウ 不可分債務(民法430条)となる場合(債務者側・否定)
⑵ 妨害排除請求訴訟(否定)
⑶ 持分・共有権の確認請求訴訟
ア 大判大正13・5・19民集3巻211頁〔27510945〕
イ 共有権の確認(肯定)
ウ 共有持分権の確認(否定)
⑷ 登記請求訴訟
ア 原告共有の所有権移転登記請求訴訟
イ 原告共有の抹消登記請求訴訟
ウ 被告共有の抹消登記請求訴訟
⑸ 共有物に関する形式的形成訴訟
ア 共有物分割請求(民法258条)(肯定)
イ 境界確定の訴え(肯定)
⑹ 知的財産関係訴訟
6 共同相続人間の訴訟
⑴ 遺産確認の訴え(肯定)
ア 固有必要的共同訴訟としての遺産確認の訴え
イ 遺産でないことの確認の訴え
ウ 相続分を全部譲渡した相続人の当事者適格(否定)
⑵ 共同相続人間における相続人の地位不存在確認の訴え(肯定)
⑶ 遺産分割協議無効確認の訴え(肯定)
⑷ 遺言無効確認の訴え(否定)
7 入会権関係訴訟
⑴ 入会権の意義・実体法上の性格
⑵ 入会権・管理処分権を対外的に主張するもの(肯定)
⑶ 構成員の使用収益権を主張するもの(否定)
8 組 合
9 賃貸借関係訴訟
⑴ 賃貸人が複数いる場合(否定)
⑵ 賃借人が複数いる場合(否定)
第5章 権利能力なき社団に関する訴訟
第1 総 論
第2 権利能力なき社団の当事者能力
1 民訴法29条
2 当事者能力に関する判例
⑴ 判例が示した基準
⑵ 財産的独立性の要否について
⑶ 具体例
ア 民法上の組合
イ 講の講元
ウ 入会団体
エ その他
⒜ 法人格を有しない労働組合
⒝ 設立中の会社等
⒞ 住民運動団体等
⒟ 地域住民による団体
オ 当事者能力を否定したもの
⒜ 組織等がないことを理由に否定するもの
⒝ 団体としての独立性がないことを理由に否定するもの
第3 権利能力なき社団をめぐる訴訟における当事者適格
1 総 論
2 財産の帰属形態(総有)に基づく原則的取扱い
3 登記請求訴訟における当事者適格
⑴ 社団名義での登記の可否(否定)
⑵ 登記名義人である構成員の当事者適格(肯定)
⑶ 社団が代表者の個人名義に移転登記を求めることの可否(肯定)
⑷ 民事執行・民事保全の場面(関連論点)
4 組合の業務執行組合員(訴訟担当が認められる場合1)
5 マンション管理組合をめぐる給付訴訟(訴訟担当が認められる場合2)
⑴ 問題の所在
⑵ 管理組合、管理者、管理組合法人
ア 管理組合
イ 管理者
ウ 管理組合法人
⑶ 実体法上の権利義務の帰属と訴訟追行権
ア 管理組合等に団体的に帰属しているもの
⒜ 規約・決議等に基づくもの
⒝ その他
イ 各区分所有者に帰属しているもの
⒜ 共用部分に対して有する共有持分権
⒝ 権利能力なき社団である管理組合が当事者となる場合
ウ 区分所有法6条1項違反による同法57条に基づく差止請求権
⒜ 請求権の法的性格
⒝ 請求権の行使主体
⒞ 規約等違反の行為との関係
⑷ 訴え却下か請求棄却か
ア 請求棄却になる場合
イ 訴え却下になる場合
第5編 訴権の濫用
第1 概 説
第2 訴え提起が訴権の濫用に当たる場合
1 総 説
2 判例における訴権の濫用
⑴ 最一小判昭和53・7・10民集32巻5号888頁〔27000235〕(昭和53年最判)
⑵ 株主権の濫用、上訴権の濫用
ア 株主代表訴訟
⒜ 旧商法下の事案
⒝ 会社法847条1項ただし書の新設
イ 上訴権の濫用
3 下級審において定式化された訴権の濫用
⑴ はじめに
⑵ 最三小判昭和63・1・26民集42巻1号1頁〔27100072〕(昭和63年最判)
⑶ 東京地判平成12・5・30判タ1038号154頁〔28052155〕以降の定式化
4 訴権の濫用が争点となった具体例
⑴ 株主総会決議の効力に関する訴訟
⑵ 株主代表訴訟
⑶ スラップ訴訟
5 口頭弁論を経ずに訴えを却下した事例
第3 訴え提起が信義則に反する場合
1 総 説
⑴ 権利失効(紛争の蒸し返し禁止)の法理
⑵ 矛盾挙動禁止の法理
2 最高裁判決
⑴ 権利失効(紛争の蒸し返し禁止)の法理 414
ア 最二小判昭和49・4・26民集28巻3号503頁〔27000438〕(昭和49年最判)
イ 最一小判昭和51・9・30民集30巻8号799頁〔27000312〕
ウ その他の判例
⒜ 最一小判昭和52・3・24集民120号299頁〔27650643〕
⒝ 最一小判昭和59・1・19集民141号1頁〔27442302〕
⒞ 最二小判令和3・4・16集民265号129頁〔28291336〕
エ 数量的一部請求訴訟敗訴後の残部請求
⑵ 矛盾挙動禁止の法理
ア 登記請求に係る事例
⒜ 最二小判昭和42・4・7民集21巻3号551頁〔27001093〕
⒝ 最二小判昭和56・10・30集民134号153頁〔27442195〕
イ その他
3 信義則違反が争点となった具体例
⑴ 交通事故訴訟
⑵ 労働関係訴訟
⑶ 医療関係訴訟
⑷ 離婚慰謝料訴訟
⑸ 破産手続開始決定等との関係
第4 裁判例の考察を踏まえた法理の選択と審理の在り方
1 訴権の濫用と信義則違反の選択
⑴ 大まかな傾向
⑵ 訴え提起者の主観面との関係
ア 判例の整理
イ 学説との関係
⑶ 実体法上の抗弁との関係
ア 権利濫用の抗弁との関係
⒜ 確認訴訟について
⒝ 給付訴訟及び形成訴訟について
イ 不法原因給付の抗弁との関係
2 審理の在り方
⑴ 判断要素について
ア 信義則違反
イ 訴権の濫用
⒜ 判例における訴権の濫用
⒝ 下級審において定式化された訴権の濫用
⒞ 訴え提起が不法行為であるとの反訴提起がある場合
⑵ 職権調査事項
⑶ 訴え却下か請求棄却か
第5 まとめ
事項索引
判例索引
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